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04 Limited Sazabys『SOIL』は新たな一歩示す作品に 発想の豊かさ感じる最新作を聞く

参考:2018年10月22日付週間アルバムランキング(2018年10月8日~2018年10月14日・ORICON NEWS)

04 Limited Sazabys『SOIL』(通常盤)

 2018年10月22日付のオリコン週間アルバムランキングでは、先週に引き続きMr.Children『重力と呼吸』が1位をキープ。さすがの貫禄だ。倉木麻衣初の“コンセプトアルバム”である『君 想ふ ~春夏秋冬~』が3位にランクインしたほか、初登場の顔ぶれも多い。俯瞰してみると、ギターをフィーチャーしたロックバンドの根強い人気を感じさせる並びだ。

 Mr.Childrenはもちろん、Ken Yokoyamaの新曲を含むセルフコンピレーション『Songs Of The Living Dead』が4位、ザ・クロマニヨンズの新作『レインボーサンダー』が5位とベテラン勢が揃う中、2位にランクインした04 Limited Sazabys(以下、フォーリミ)『SOIL』の健闘が印象的。結成10年を迎え満を持してリリースしたメジャー3作目であり、若手バンド随一の存在感を見せつけた。軽快な音作りとキャッチーなメロディ、そしてGEN(Ba/Vo)のハイトーンボイスが耳を惹きつける、メロディックパンクの雄だ。

04 Limited Sazabys「My HERO」(Official Music Video)

 疾走感あふれるポップな楽曲を次々に繰り出す彼らの安定感はそのままに、本作ではサウンドの重心が下がって迫力が増している上、4ピースのバンドアンサンブルにプラスアルファしたドラマチックな構成や演出が光っている。バンドのカラーを全力で押し出したシングル曲「My HERO」はもちろん、アルバムリリース後の10月17日にMVが公開された「Galapagos」はツービートのポップパンクからサイケデリックなダウンテンポ、ラップメタル調へとめまぐるしく展開する驚きの楽曲。これまでのバンドのスタイルから一歩飛び出るチャレンジ精神とともに、広くメインストリームにも食い込みうる発想の豊かさを感じられる。

04 Limited Sazabys「Galapagos」(Official Music Video)

 ギターを中心に据えたメロディックパンクやポップパンクのバンドとしては、言わずとしれたWANIMAの活躍も目覚ましい。ワイルドな歌声とサウンドでポジティブなメッセージを伝えるスタイルで人気を博し、2017年の『第68回NHK紅白歌合戦』をはじめとして地上波各局の歌番組にもたびたび登場するまでになった。1990年代以来のオルタナティブロックの流れを汲む邦ロックや、バンドサウンドを軸としたオルタナポップの系譜に加えて、フォーリミやWANIMAのようなメロコアや青春パンクの系譜に連なるストレートなギターサウンドが、ここにきて再びポピュラリティを獲得していることは興味深い。

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