EXILE SHOKICHIが語る、“hideオマージュ”の真意　「hideさんとの出会いが自分の音楽を作った」

hideへのオマージュとEXILE TRIBEでの立ち位置

――カップリングには、先ほど言っていたSHOKICHIさんのヒーロー、hideさんの「ROCKET DIVE」のカバーが収録されています。アー写もhideさんへのオマージュですか？

SHOKICHI：思いっきりhideさんをイメージしていますね。それも結構ヒップホップ的な手法で、リスペクトを表すのにアートワークを模倣したりするんです。そのため、「Underdog」のミュージックビデオも、hideさんの「ROCKET DIVE」を匂わせる作品になっています。今年はhideさんのニ十周忌でもあって、しかもちょうど今の自分の歳で亡くなっているんです。そういう意味でも、このタイミングだなって思っていて。

――実際にカバーしてみて、気付いたことは？

SHOKICHI：今から20年前の曲なんですけど、全然古くなくて……それがもうホントにすごいと思いました。あと、実際に歌ってみると、めっちゃ難しかったんですよね。歌入れのときは、いろいろ抑揚をつけてみたりして、探りながらレコーディングさせてもらいました。一曲歌って声が嗄れてしまうこともありましたね。だから、終わったときはすごく感動したというか、少年の頃の自分を思い出して、ロマンを感じました。やっぱり音楽って、時空を超えるんだなと。

――アレンジにはどんな工夫を？

SHOKICHI：それもすごく悩んだところで、様々なアレンジで録ってみたのですが、実際に聴いてみると「俺が聴きたい『ROCKET DIVE』はこれじゃない」と思って。hideさんのいちファンとして、こういうカバーは望んでいないと気付いたんです。確かに、新しい解釈の「ROCKET DIVE」も面白いんですけれど、構成やビート感については、できるだけ原曲に忠実にしました。ちょっとだけトラップのビートを入れて、そこに自分の声を乗せれば、十分に僕らしいカバーは表現できると考えたんです。

――SHOKICHIさんは、シンガーソングライターであると同時に、プロデューサー的な目線でも自身を見ているように思いました。

SHOKICHI：そうですね。最近になってようやくちょっと肩の力が抜けたというか、俯瞰で見られるようになってきたのかなと。今回のソロ・プロジェクトは、ここからいろいろ楽しみたいと思っているんです。今回のソロに関しては、“KOMA DOGG”という自分のクルーを作って、ファンのみなさんはもちろん、いろんな人を巻き込みながら盛り上げていきたいんですよね。今だからこそできることは、きっとたくさんあると思うので。

――その第一弾となる本作を、リスナーの方々に、どのように受け止めてもらいたいですか？

SHOKICHI：新しいアプローチではあるんですけど、これまでもいろんな音楽をミックスさせながら表現してきましたし、ファンの皆さんと培ってきた信頼関係もあるので、きっと楽しんでくれると思っています。また、僕のことをあまり知らなくて、「EXILEの人」くらいの認識の方にも、ぜひ触れてみてほしいです。また違ったイメージになるはずなので。

――SHOKICHIさんはEXILE TRIBEのなかでも、“切り込み隊長”的なところがありますよね。

SHOKICHI：そうかもしれないですね（笑）。そういう意味では、EXILEのふり幅を、今後さらに広げていきたいと思っています。LDHには、LDH music & publishingという子会社があって、僕はHIROさんの勧めでそこにも籍を置かせていただいているので、今後はプロデューサー的な立ち位置からも色んなプロジェクトに関わって、全体を盛り上げていきたいです。

（取材・文＝麦倉正樹／写真＝下屋敷和文／スタイリスト＝jumbo（speedwheels）／ヘアメイク＝大木利保）