ステージ中央でアイドルに取り囲まれる新しさ アップアップガールズ(仮)のVRを体験してみた

VRが持つ映像面での課題

 薄暗いライブハウスで収録が行われた『アップアップガールズ(仮)360°ライブステージ
』は、撮影には不向きな環境で撮影されている。明暗がランダムに繰り返される環境の中で撮影されているため、カメラがメンバーの動きを追いきれていないところもあり、光の演出ではハレーションが発生したりと、決して鮮明な映像とは言えない。このようにVRにはまだまだ課題も多く、没入感を得るために一番重要だと思われる映像の解像度もそのひとつだ。バーチャルリアリティ向けヘッドマウントディスプレイを開発している米国のOculusや、音楽分野に特化したVR映像を制作しているMelodyVRは、「現在のVRデバイスでは本当にライブやコンサートを最前列で見ているような体験はできない」と提言。次世代のVRヘッドセットで映像面におけるブレイクスルーが必要と解説している。コンテンツの充実とあわせて、実写の映像をそのまま表現できるような、新しいデバイスの誕生が今後のキーになりそうだ。(参考:Insider(海外サイト))

 ライブハウスでのステージ演出をそのままに、アイドルの激しいダンスパフォーマンスをVR映像化した同作は、従来のライブのVR映像と比べて挑戦的な作品と言える。コンテンツを制作する側とイノベーションを起こす企業がテクノロジーを更新していく中で、今後も意欲的な作品が生まれてくることに期待したい。

(文=泉夏音)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる