『カンナさーん!』主題歌歌唱の渡辺直美とブルゾンちえみにみる、“芸人と音楽”の新潮流
芸人と音楽については、リアルサウンドでも度々話題に上げてきたが、これまではいわゆる“音楽も自作自演するネタ”から派生したオリジナルソングをリリースし、その楽曲が社会現象を起こすというものだった。しかしこの2人に関しては、既発曲をネタに使用し、その楽曲もともにブレイクするという、ある種“キュレーター”的な役割を果たしている。
先日の対談で、音楽ジャーナリストの柴那典氏は「アメリカのビルボードでトップに立ったRae Sremmurd『Black Beatles』もオースティン・マホーン『Dirty Work』も、同じように捉えることができる」とし、「『Black Beatles』はマネキンチャレンジに使われたことで多くの人に広まり、チャートを制しました。『音楽と関係ない何かに使われてブームになった曲が1位になる』という意味では、世界的な状況とシンクロしている」と、現在の日本で起こっている洋楽のヒットソングと世界の潮流がマッチしていることを指摘していた。(参考:2017年上半期チャートに見るJ-POPの現状とは?)
音楽の聴かれ方も買われ方も変わりつつある現在。この現象がある種の“ヒットの法則”になっているとすると、2017年後半以降もお笑い界から新たなキュレーターが続々と登場すれば、沈みがちだった洋楽需要に一筋の光が指すことになるのかもしれない。
(文=向原康太)