『トーキョーフィーバー』発売記念フリーライブ
Lead、デビュー15周年にむけて“ストリート出身”への原点回帰 伸也「まだまだ踊ります!」
この夏デビュー15周年を迎えるLeadの“原点回帰”とは何を意味するのか? 3月8日、ラゾーナ川崎プラザで行われたニューシングル『トーキョーフィーバー』の発売記念フリーライブに足を運んだ。ちなみにこの日はかねてより「Lead×???」と、何者かとのコラボレーションの予告もされており、いやがおうにも期待感が高まるというもの。
ゴージャスなファンクサウンドにのせて登場した谷内伸也、古屋敬多、鍵本輝が、1曲目にパフォーマンスしたのは敬多&伸也作詞の「トーキョーフィーバー」カップリング曲「FUNKENSTEIN」。タイトルは“FUNK”と“フランケンシュタイン”をかけたネーミングで、妖怪が動き回るようなマイケル・ジャクソン「スリラー」風のストーリー性のある振付がユーモラスだ。終盤サビでは「FUNKEN?」「STEIN!」「FUNKEN?」「STEIN!」と、敬多とLeaders(ファン)との掛け合いもあり、リリース当日ながら息ピッタリ!?
気温的にはまだまだ冷え込んでいたこの日、屋外のルーファ広場には2000人近い来場者が。「寒いけど元気?」(敬多)、「騒ぐ準備できてますかー!?」(輝)などと客席に声をかけつつ、輝作詞のカップリング曲「Gimme a call」へ。この曲もファンクがベースにあるが、パーティ感の強い「FUNKENSTEIN」とは趣が異なり、輝のハイトーンヴォーカルやツヤのあるブラスサウンドを軸に、しっとり感のある大人なダンスで魅了していく。
MCでは、今回のシングルを「今年夏でデビュー15周年ということで、懐かしさの中に今のLeadを感じてもらえる楽曲」と説明した伸也。「『トーキョーフィーバー』はタイトル通り、みんなと一緒に声を出してフィーバーしたい!」ということで、まずLeadのダンスマスター・敬多がサビの振付をレクチャー(ちなみにこの動きはLeadの頭文字であるLを人差し指と親指で作り、ディスコダンスの代名詞といえる映画『サタデー・ナイト・フィーバー』のダンスよろしく右上→左下に動かすというもの)。
場が温まったタイミングでようやく放たれたシングルのタイトル曲「トーキョーフィーバー」。現在アラサーの3人が小学生でダンスを始めた当時に影響を受けたサウンドのエッセンスを散りばめたというこの曲。テイストとしては華やかなヒップホップ~R&Bサウンドを詰め込んだ2ndアルバム『BRAND NEW ERA』(2004年)に近い世界観を、現行のサウンドとダンステクニックで披露している。ハスキーなラップを繰り出す伸也を筆頭に3人がにぎやかなマイクリレーを展開し、3人のダンスソロが入る……予定の間奏部分で、突如としてキラキラ光るコスチュームのダンサー4人が登場! この日のコラボ相手は、世界的に活躍する光とダンスを融合させたストリートダンスチーム、EL SQUAD(WRECKING CREW ORCHESTRAの派生ユニット)。敬多と2015~2016年に出演した舞台『SUPERLOSERZ SAVE THE EARTH 負け犬は世界を救う』で共演していた彼らは、それぞれが長いキャリアを誇るダンサーであり、Leadの3人とも息の合ったステージングで観客を大いに楽しませた。
パフォーマンス後、「かっこいいね! 光るんだね?」と興奮気味の敬多がEL SQUADを紹介。実は舞台を中心に活躍する彼らが他のアーティストと共演するのは珍しいケースだそうだが、「Leadとはもしかしたらまた共演する機会がある、かも?」(SHINGO)と今後が楽しみになるコメントを残して退場した。
そしてミニライブのラストは「みんなで歌える1曲を持ってきました!」(輝)と煽りつつ、「It's My Style」へ。初見の観客でも一緒になってシンガロングやハンドクラップができるパートが多く、近年のLeadのライブアンセムといえるこのナンバー。間奏部分で敬多のブレイキン、終盤には3人そろってのアクロバットもあり、大盛況の中ミニライブが終了した。
囲み取材で「人生の半分以上をLeadとして過ごしているんで」(敬多)と語っていた3人は、真新しい楽曲の中でも圧倒的なシンクロ感を見せていた。彼らがデビューしたのは2002年7月で、10周年を迎えた2012年には『Lead 10th Anniversary Live~感今導祭~』というアニバーサリーライブを開催。15周年を迎える今年7月の何らかの“予定”も匂わせつつ、「焦らしていくのがLeadのスタイルなんで」(敬多)と苦笑いしていた。
近年のシングルではバラードの「My One」、メッセージ性の強い「約束」(共に2015年)など比較的ソフトな楽曲が目立った彼らだが、最年長の伸也は「まだまだ踊ります!」と宣言。ストリート出身らしいギラギラ感を再びのぞかせた2017年のLeadは、なんだか面白いことになりそうだ。
■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集参加のほか、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。