NEWS 手越祐也 × 増田貴久、個性を尊重し合う信頼関係 “テゴマス”デビュー10周年に寄せて

 手越祐也と増田貴久によるボーカルユニット“テゴマス”が、12月20日に日本でのデビュー記念日を迎える。10周年となる区切りの今年、何か大きな動きがあるのではと期待していたファンも少なくなかったはずだろう。2016年は、NEWSとしての活躍がめざましかった1年だった。その喜ばしさの反面、そろそろテゴマスの歌声を恋しくも思う。そこで、ささやかながら10周年を祝う気持ちと、来年以降の活躍を期待してテゴマスの魅力について言及したい。

唯一無二のハーモニーを生む相対音感

 先日発売された、NEWSのライブDVD・Blu-ray『NEWS LIVE TOUR 2016 QUARTETTO』には、ツアー千秋楽の東京ドーム公演のMCで、テゴマスの2人が名曲「青いベンチ」をアカペラで歌うシーンが収められている。

 サプライズで歌うことになった2人は、そっと近づき耳元で短い打ち合わせを行なう。バックミュージックも、楽器もなし。東京ドームの広大な空間に、2人の声だけが響き渡る。その美しいハーモニーに、5万人が息を飲んだ。サビの部分のみという、あっという間のひとときだったが、この心地よい歌声をいつまでも聞いていたい、そう思わせる時間だった。

 歌い終わるやいなや、プレッシャーに強い手越が「久しぶりすぎて」と緊張した表情を浮かべていたのも、それだけ歌に対する高いプロ意識の表れだろう。そこに、増田が「でも、歌えたってことは、俺たちに絶対音感もしくは相対音感があるからね」と、嬉しそうに言葉を添えたのだ。

 4人体制の新生NEWSになって4年。これまではNEWSという土台を固めるために、4人がガッチリと肩を組んできたフェーズだった。それゆえ、テゴマスとしての大きな活動は、2014年に発売したアルバム『テゴマスの青春』以来、息を潜めている状態。それでも、耳打ちで音を合わせるだけで、これだけの人を魅了するハーモニーができるのは、Jr.時代から“マステゴ”として歌ってきた2人の絆があればこそだろう。

 ちなみに、なぜMC中にテゴマスの2人が即興で歌う流れになったのかは、ここでは書けないのでぜひDVD・Blu-rayを見ていただきたい(ネタバレを防ぐという意味ではなく、手越にかけられた魔法によって忘れてしまった……ということにしておこう。その“魔法”のくだりはニヤニヤ必至の傑作だ)。

違う個性を認め合うベストパートナー

 最新のテゴマスを楽しみたいなら、『テゴマスのらじお』(MBSラジオ)がオススメだ。ラジオでは、テレビ以上にぶっちゃけキャラになる手越と、あくまでアイドルであることを芯に持つ増田。全く違う個性だからこそ、トークの幅が広がる。

 例えば12月14日放送回では、男女で食事に行った際、おごってくれようとする男性に対して、どういう反応をしたらいいのかという質問がリスナーから届くと、増田は自分自身が先輩と食事に行ったときを例にして回答。代金を出すつもりではいるけど、頑なになるのではなく空気を読んで「ごちそうさまです」と財布をしまうべきだと、誠実なアドバイスをしてみせた。

 そんな増田の話を「そうですね」と聞きながらも、自分の番になった手越は「全国のモテたい女子は、僕に聞いてくれば。場数が違うから」と、意気揚々。だが、アイドルとして女性との食事の経験が豊富というのも、いかがなものか……と、増田が思ったかはどうか確かではないが「モテる本読んでるだけだから」と、すかさずフォロー。しかし、手越の口からは「財布を出そうとしない、ごちそうさまも言わない人って、超いるから。これは、もうプンコちゃんですね。二度とおごろうと思わない、誘おうとも思わない」と生々しいアドバイスが続出。そんな手越の熱弁に、いつしか増田も興味津々になり「そんな(お礼を)言わないやついるか?」と合いの手を入れたものだから、これが火に油を注ぐ結果に。「いるんだよ、女っていうのはたまにいるんだよ。ふだんからチヤホヤされて……そんなやつはいつか地に落ちるさ」と、強烈なマシンガントークで笑わせてくれた。

 ラジオを聞いて思ったのは、テゴマスの2人の会話は、いつも相手の話を遮らないのだ。一旦「ふんふん」と聞いた上で、異なる視点で問いかけ、さらに会話が深まっていく。このやり取りは、きっと音楽活動をする上でも同じなのだろう。

関連記事