yahyel 、向井太一、Srv.Vinciーー世界水準の音楽を奏でる新世代ミュージシャンの台頭
Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)
1992年生まれの、アカデミックでありながらもアナーキーな匂いを漂わせる4人組バンド、Srv.Vinci。バンド結成は2014年。当初は、東京藝術大学を辞めたばかりの鬼才音楽家、常田大希を中心としたユニットだったが、よりロックやポップミュージックへのフィールドを視野にいれ、同世代のテクニカルな才能を持つメンバーが集結した。昨今世界的に音楽シーンを騒がせているロバート・グラスパー、ゴーゴー・ペンギンなど、ドン・ウォズ率いるブルーノート・レコード所属の新世代バンドと近い感触を感じさせるロック、ヒップホップ、テクノ、現代音楽などが同列で解き放たれるサウンド・センス。しかし小難しくはなく、時にアメリカの絵本作家エドワード・ゴーリーのようなナンセンスかつ不条理な世界観を醸し出すインパクトがエモい。あらゆる音楽を呑み込んだサウンドを日本語歌詞によって歌を通じて届けてくれる。「今って音楽の進化自体が止まっていて、音楽以外のことで差別化しているアーティストって多いじゃないですか? でも、まだ音楽だって発展する余地があると思っているんですよ(常田大希)」。9月にリリースされたmini Album『トーキョー・カオティック』をチェックして、演奏力の高さに圧倒されるライブを体験して欲しい。
(文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ/Twitter))