lyrical school『RUN and RUN』特別企画

lyrical school(hime、minan)×Creepy Nuts特別対談「アイドルラップで出来ることは全部やってみたい」

 

「『フリースタイルダンジョン』はみんな見てます」(hime)

ーーCreepy を気持ち良くする会ではないので話題を変えます。Creepyとminanさんは24~5歳のほぼ同世代で、himeさんは女子高生ですね。そしてR-指定くんは大阪、松永くんは新潟、minanさんは群馬、himeさんは東京と、世代や性別、出身など全員バラバラなので、それぞれのヒップホップへの入り方も違うと思うし、その部分にも興味があるんですが。

R-指定:日本語ラップに出会うまで、音楽自体にそれまであんまり興味はなかったし、逆に特にヒップホップみたいな、若い人が聞く音楽は絶対聴かへんやろうなと思ったんですよね。『学校へいこう!』で「B-RAP HIGH SCHOOL」とかやってたじゃないですか。そのイメージがあって。

ーークラスで調子乗ってる奴がやる感じっていうイメージ?

R-指定:そうそう。チャラついてる奴のものっていう偏見があって。だけど、中1の時にSOUL'd OUTをラジオで聴いて、こんなに格好良い音楽があるんやって。そこからヒップホップのCDをレンタルして、ZEEBRAさんやRHYMESTERを聴いて、ラップの気持ち良さに加えて、歌詞の内容や構造に興味を持ったんですよね。自分のことをラップしたり、韻を踏むっていうスタイルに衝撃を受けて。そこからどっぷりハマっていって。

DJ松永:自分は小3の時に映画『ブルース・ブラザーズ』を見て、そこからアレサ・フランクリンとかジェームズ・ブラウンみたいな、あの映画に出てた人の曲を聴くようになって。それから、兄貴がビートルズが好きだったんで、それを聴いたり。だから洋楽中心だったんですけど、俺は中2の頃に、友達に借りたRHYMESTERの『グレイゾーン』やMicrophone Pager『DON'T TURN OFF YOUR LIGHT』、それから雷に衝撃を受けて。RHYMESTERがやってたラジオ「WANTED!」も聴くようになって、そこで流れてた曲を速攻レンタルしに行くようになったんですよね。ラップは格好いいと思えたし、それを聴いてる自分も格好いいって思えたというか(笑)。

R-指定:浅い!(笑)。でも雷とか般若さんのラップは、聴くと強くなれるような気がしてたのはありますよね。ZEEBRAさんも「俺がNo.1!」みたいなことを言いまくってる時期で、根暗な中学生としては、それを聴いて、自分も強くなったような気がして。学校では全然イケてなくても、聴いてる時は「俺がNo.1や!」と思えるっていう。

DJ松永:それはあったね。あと「格好いい世界を知ってる」ってことで、周りに対して優越感に浸ってたもんね。

R-指定:いや、それとは違うけど(笑)。まあ、松永さんは優越感にひたるタイプやから。

DJ松永:ういっす。

R-指定:俺は勇気づけられてましたね。

DJ松永:……そっちの答えの方が正解っぽかったな(笑)。

ーーではリリスク側はいかがでしょう?

hime:ちっちゃい頃に、パパの車の中でよくヒップホップがかかってたんですよね。

ーーお父様は世代的にヒップホップ・バブル直撃世代みたいだね。

hime:だから耳には馴染んでて。日本語ラップは、小学校の頃にHilcrhymeさんが好きになって、そこが入り口ですね。そこからTOCさんのソロだったり、TOCさんが客演したDJ松永さんの作品(『サーカス・メロディ』)みたいに広げて行ったりして、普通に日本語ラップは聴いていっています。

minan:……この流れだと言いづらいんですけど、私は正直、リリスクに入るまでほとんど聴いたことがなくて。RIP SLYMEさんとかを、J-POPとして聴いてたって感じでした。

ーー聴かなかったのはなぜ?

minan:ただ単に聴く機会がなくてですね。女子校だったせいかもしれないんですけど、ヒップホップを聴く友達もいなかったから、触れる機会がなくて。

R-指定:でも分かるな。俺らの世代は、日本語ラップがちょっと衰退した時に中高生で。だからラップを聴く人は同級生にいなかった。

DJ松永:誰もいなかったよね。

R-指定:俺らの5~10上ぐらいが中高生の頃は、Dragon Ash、KICK THE CAN CREW、RIP SLYMEがいたし、もう少し上だと「さんピンCAMP」があったり。だけど、俺らはキックが解散ぐらいの時に聴き始めて、どんどんアンダーグラウンドに潜っていくタイミングだったから、普通は触れるキッカケがなかったのが普通なのかなって。

hime

ーーなるほど。では、いまの高校生の中でヒップホップはどう捉えられてるの?

hime:みんなが聴いてるってわけではないですね。ラップ好きって言っても、あんまり通じないっていうか。だけど「フリースタイルダンジョン」はみんな見てますね。みんなR-指定さんの試合はみんな絶対に見てますよ。

minan:だから「ダンジョン」みたいにラップに触れる機会があったら、私も好きになってたのかなって。でも、R-指定さんは言葉が綺麗ですよね、聴き取りやすいし、使う単語自体が綺麗っていう。

hime:ワード・センスが良いですよね。ディスりも綺麗みたいな。同級生でR-指定になりたいっていう人も多くて。

R-指定:やった~!

DJ松永:……なんじゃそれ!!!

ーーCreepyの解散の危機がここに(笑)。

R-指定:でも、今の状況に対して、高校生の頃の俺は、めっちゃ悔しがってると思いますよ。「高ラ選」に出たら学校でヒーローになるし、休み時間に友達同士でサイファーとかしてるなんて、羨ましすぎる。俺らは隠れキリシタンみたいにヒップホップの話してたから。

R-指定

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