在日ファンク『メジャー2ndアルバム完成中間報告確認ツアー』レポート
在日ファンクのライブの肝は“緩急”にあり ワクワク感が散りばめられたツアー初日レポート
在日ファンクの魅力の一つは、緩急の付け方だと思う。それまでの良い雰囲気が一変、仰木がなぜかサザエさんのテーマを弾きだし、ハマケンがそれに合わせておどけたり、ジェントルによる恒例のグッズ紹介などで笑いが起きる。このOFFがあってこそ、ラストに向けた横揺れの曲の連発が活きているのであろう。その盛り上がりは相当なもので、途中激しくダンスを踊っていたハマケンの靴底が剥がれてしまうというハプニングも起きたほど。そしてラストは今回のアルバム『レインボー』のリード曲にもなっている、「それぞれのうた」。印象的なホーンのフレーズから始まる、AOR要素が詰まった実に在日ファンクらしい曲だ。
アンコールでは、“アーカイブライブ”とも銘打たれたこのツアーの締めに相応しい曲を披露してくれた。1stアルバム『在日ファンク』の1曲目に収録されている「最北端」である。初期の「最北端」と『レインボー』のリード曲「それぞれのうた」を聴き比べると、さらに重厚な音になっていたり、パフォーマンスに“こなれ感”が出ていたりなど、彼らが着実に進化している様がよく分かる。“在日ファンク”という誰にも真似できない彼らだけのカテゴリーに身をおきつつ、枠に囚われず様々なテイストの曲を作り出し、進化し続ける7人。その進化はライブにも反映されているのではないだろうか。一見するといつもと変わらないパフォーマンスのようにも見えるが、メンバー一人ひとり見せ場を増やしたり、観客を巻き込んだパフォーマンスをしたり、次は何が起こるのかというワクワク感が散りばめられているのだ。確固たる軸を持ちつつも変化をやめないーーその進化のプロセスこそが在日ファンクを聴き続ける醍醐味なのかもしれない。
(取材・文=高橋梓/撮影=高田梓)
■リリース情報
『レインボー』
発売日:5月11日(水)
価格:【初回盤(CD+DVD)】¥3,900(+税)
【通常盤(CD)】¥2,700(+税)
※アナログ(初夏発売予定)
<収録楽曲>
01:縁の下の力持ち
02:きみのいいところ
03:ぽいぽい
04:ほうよう
05:ぬるまゆファンク
06:いいこと
07:叩かない戦い
08:むくみ(アフロ)
09:ぼくきみ電気
10:それぞれのうた
11:アウトロ de イントロ
<初回盤DVD収録内容>
※収録順未定
縁の下の力持ち(Directed by 後関好宏)
きみのいいところ(Directed by 仰木亮彦)
ぽいぽい(Directed by 浜野謙太)
ほうよう(Directed by 村上啓太)
むくみ(アフロ)(Directed by ジェントル久保田)
ぼくきみ電気(Directed by 村上基)
それぞれのうた(Directed by 永田真毅)
それぞれのうた(Directed by スタジオ石)
■ライブ情報
『在日ファンク Presents メジャー2ndアルバム完成中間報告確認ツアー』
日時:03月11日(金)開場18:45/開演19:30
会場:名古屋 CLUB QUATTRO
日時:03月12日(土)開場17:15/開演18:00
会場:大阪 ユニバース
公演日:03月20日(日)開場17:30/開演18:00
会場:札幌 cube garden
チケット料金:前売¥3,900/当日¥4,400(オールスタンディング・ドリンク代別)
※終了公演は割愛