松任谷由実、歌い継がれる自身の楽曲に思わず涙「過去の自分に時空を超えて教えてあげたい」

 番組後半では、松任谷が荒井由実時代の1974年、ラジオ番組で「私の学校の校歌を作ってください」という少女からの依頼を受けて校歌「瞳を閉じて」を作った長崎・五島列島の奈留島を27年ぶりに訪問。松任谷は長崎県立奈留高校の創立50周年式典で「遠い空の下、それぞれ離れているかもしれませんが、ときどきは思い出して励ましあいましょう。この島を愛する気持ちに負けないように、これからも音楽を愛して活動していきたいと思います」と語り、島民たちが「瞳を閉じて」を熱唱。式典後には、41年前に実際松任谷へ手紙を送った女性と再会し、松任谷は「こんな長きにわたって愛してもらえるなんて想像していなかった」と話した。

 また、学校の生徒たちは、同曲の歌詞が刻まれた歌碑の前へ松任谷を招き、「瞳を閉じて」を歌唱。これを聴いた松任谷は「うれしい! この曲を作ったときの、ピアノの前にいる過去の自分に『こんなに愛してもらえるんだよ』と時空を超えて教えてあげたい」と目を潤ませ、彼女と生徒たちの合唱で、再び同曲を歌い上げた。

 番組終盤では、「気づかず過ぎた初恋」の制作風景を放送。松任谷は「一生に一度の体験、不安、憧れ。その時はわからないけど、過ぎてしまって『ああ、そうだったのか』と気づくときの気持ち。これが初恋と結びついた」と、今回の体験を通して生まれた価値観が制作に影響したことを明かし、同曲を歌い上げたところで番組が終了した。

 松任谷が旅を通して様々な表情を見せた今回の放送。次回12月22日には井上陽水が出演する予定だ。

(文=向原康太)

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