AKB48、きゃりー、Shiggy Jr.、VAMPS…ハロウィンソングが急増している背景とは?

 その盛り上がりは2010年代になるとさらに加速。10月末になると、各クラブやイベント会場では“コスプレ割引”なるものが登場し、ハロウィン当日には渋谷の街をコスプレした若者が闊歩するという状況が生まれ始めた。そして、2014年には渋谷のスクランブル交差点が、大勢の仮装した若者によって混乱状態となり、機動隊が200人出動する事態にまで発展。こうした一連の流れを受けて、きゃりーとAKB48は早々にハロウィンソングをリリースしたのだろう。当日のBGMとして、彼女らの楽曲が求められることは想像に難くない。

 そして、この“祭り”に乗るのは、なにもポップミュージックシーンのトップを走るものだけではない。ブレイク有望株の若手バンドShiggy Jr.は、10月14日にシングル『GHOST PARTY』をリリース予定。こちらは不穏なシンセベースの効いた四つ打ちサウンドに、アイドルポップスにも近い雑多な盛り上がりを随所に組み込んだ“Shiggy Jr.流ハロウィンソング”で、バンドシーンの若手にもハロウィン文化が浸透していることを感じさせる一曲だ。ちなみに、バンド界のハロウィンソングといえば、VAMPSが主宰するハロウィンライヴイベント『HALLOWEEN PARTY 2012』に合わせて結成されたHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの「HALLOWEEN PARTY」が有名だ。2005年から同ライブイベントを開催していたHYDEは、さすがに先見の明があるといえる。さらにHYDEは今年、日本アカデミー賞新人俳優賞を史上最年少で受賞した、大注目の子役・渡邉このみを含む小学生ユニット・HALLOWEEN DOLLSを結成。自身でプロデュースを手掛けた「HALLOWEEN PARTY」のカバーを収録した同タイトルのシングルを10月7日にリリース予定だ。

 ちなみに今年は、10月25日より六本木で国内最大級のハロウィンイベント『ROPPONGI HALLOWEEN』が開催されるほか、10月31日には東京・日本武道館で『日テレ HALLOWEEN LIVE 2015』が行われる予定。ほかにも各地のライブハウスやクラブでは、続々とハロウィンイベントが催されているようだ。大物グループもハロウィンソングをリリースし、音楽業界も一丸となって盛り上げはじめたハロウィンシーズン。ゆくゆくはアメリカのように大きな経済効果を生み出すイベントになるのかもしれない。

(文=松下博夫)

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