1位カルヴィン・ハリスの年間収入は約68億円
世界の人気DJはなぜ数十億円も稼ぐのか? 関係者が語るイベント大規模化とEDMブーム
「CDもある程度の売り上げがあるアーティストがいる一方、“稼ぐDJランキング”で5位に入ったスティーヴ・アオキなどに関しては、アルバムがそこまで売れた訳ではない。しかし『ULTRA MUSIC FESTIVAL』も『Tomorrowland Festival』にしろ、チケットの価格が高額にもかかわらず、数秒で数十万枚という売り上げを記録している。これは、規模の大きいパーティーを人々が求めるようになっていることが考えられます。ダンスミュージックフェスの演出は映像やレーザーを用いながら年々進化し、大きな規模でしか味わえない興奮が売り物になってきており、『この幸福体験をしたいから、チケットは高くても買う』という認識が一般層にも浸透しつつあるのです」
また、人気DJの華やかな生活ぶりは、現地メディアでもしはしば報じられている。
「6位にランクインしたアメリカのアフロジャックは非常に話題豊富なアーティストで、パリス・ヒルトンと付き合った過去があったり、自家用ジェットの通称“アフロジェット”で世界を飛び回わりながらDJ活動を行っています。彼はDJとしては初めて、ニューヨークの株式市場NASDAQの鐘を鳴らしたことからも、成功者であることがうかがえますね」(中西氏)
最後に、EDMブームの今後の課題と見通しについて、中西氏はこう語った。
「この盛り上がりに、EDM以外の他のクラブミュージックが呼応していないため、EDMだけが1つのブームとして過ぎ去っていく可能性も否めません。もっとも、ダフト・パンクの名作『Random Access Memories』によって終わるとの声もあったブームは、アヴィーチーの『TRUE』で再び盛り返しました。今は彼に続くスターDJの出現が待たれるところですね」
今年は9月に東京・お台場で『ULTRA MUSIC FESTIVAL』の日本版『ULTRA JAPAN』が開催されるほか、先のランキングでも3位に入ったアヴィーチー、6位のアフロジャックが来日を控えるなど、日本にも徐々にEDMの波が押し寄せている。アジアも巻き込んだ一大ムーブメントになりつつあるなか、日本からも“稼ぐDJ”は登場するだろうか。
(文=編集部)