新作ジャケで過激ポーズ披露のYUKI セクシーなアートワーク群を振り返る

ナチュラルだけどエロいYUKI

 「綱渡りのランデヴー」という歌詞に象徴されるように、ギリギリの危うい恋物語をテーマにした『ランデヴー』。ジャケット写真は、ナチュラルな雰囲気ながら、どこかしどけない印象を抱かせるポートレート。ウィンクする表情も魅力的だが、なんといっても露になった脇腹に目を奪われる。こうした“隙”の作り方は、同性から見ても参考になるのかもしれない。大人しすぎず、エロすぎない、YUKIの成熟した魅力が溢れた一枚だ。写真は初回限定盤だが、通常版もまた独特の雰囲気を醸し出しているので、そちらもチェックしてみてほしい。

舌を突き出した表情がエロティック

 ソロデビュー10周年記念アルバムとして、それまでのカップリング曲を集めたのが『BETWEEN THE TEN』。なにかを舐めようとしているかのような舌が、実にエロティックな妄想を膨らませるジャケットとなっている。1曲目に収録された「bed」は、「シーツの中で 時をとめながら 絡まって足が 冷たい足が あたる…」「あかりはつけないで でも少しだけ見せて oh baby, come over me…」といったベッドの中の情景描写が印象的なスローナンバー。YUKIの楽曲は、ポップでキラキラしたダンスチューンも魅力的だが、本作は大人のカップルが二人でゆっくり聴いても、趣きのあるアルバムではないだろうか。

最新MVではレオタード姿を披露

YUKI 『誰でもロンリー』

 最新アルバム『FLY』からの先行シングル「誰でもロンリー」のMVでは、うずたかく積み上げられたスピーカーの前、下半身レオタード姿でコミカルなダンスを披露しているYUKI。「ミュージカルの舞台の練習のために集まった様々なジャンルのダンサーたち」という設定で、どこか懐かしさを感じさせるファッションと、バレエのような動きがチャーミングだ。

 1993年、JUDY AND MARYのボーカリストとしてメジャーデビューし、2002年から本格的なソロ活動を開始したYUKI。20年以上に渡って音楽活動を継続しながら、今なお人々を魅了しているのは、その高い音楽性に加え、常に刺激的なビジュアル表現にチャレンジしてきたことも大きいだろう。新作アルバム『FLY』の仕上がりに期待するとともに、今後もさらに魅惑的なアートワークを展開してくれることを願いたい。

(文=松下博夫)

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