TRANSTIC NERVE、シド、NoGoD……独自の音楽的進化を遂げたV系バンド7選
HR/HM様式美で個性なヴィジュアル系バンド
DIR EN GREYやthe GazettEに見られるようなヘヴィロックを基としたバンドが多いのもヴィジュアル系の特色と言えるが、ヘヴィであるなら、ハードロック/ヘヴィメタルに則ったバンドも忘れてはならない。
NoGoD
NoGoDはまさに往年のジャパメタを彷彿とさせるような、泣きのメロディアスさが印象的なバンドである。多くのヴィジュアル系バンドに見られるような特有の節回しではなく、真っすぐなボーカルスタイル。奇抜な出で立ちからは想像のつかない安定感のある団長のハイトーンボイスは圧巻だ。
日本では、7弦ギター+5弦ベースと言えばヘヴィロックバンドが多い中、テクニカルプレイとしての多弦楽器の使い方が秀逸である。一見キャラ立ちのイロモノ感が目立つバンドではあるが、中身は硬派な音楽性で勝負している、実力と笑いを兼ね備えているバンドである。
摩天楼オペラ
細かいビブラートのボーカルや随所に挟み込まれる多声楽コーラス、キーボードがオーケストラを彷彿とさせる摩天楼オペラ。ヴィジュアル系では珍しいキーボードメンバーではあるが、ハードロックにキーボードという形式は一つのバンド形態として古くからあるスタイルでもある。
そして、ギターのanzi。卓越したテクニックはもちろん、マニアの間でもまだあまり知られていないスイスのギターブランドとエンドース契約を結んだり、ブログの奏法解説やDVDまでも作ってしまうという、近年あまり見ることの少なくなったギターヒーロー然としている様が印象的である。
ハードロック/ヘヴィメタル様式美のギターソロの昇り詰める様を「お城を建てるように」と言い表したギタリストが居るが、摩天楼オペラの音楽は「摩天楼=(近代)高層建築物」とも云える綿密に構築された新しさを感じる。往年のシンフォニックメタルと王道ヴィジュアルロックになぞらえながらも、独自の世界を築いている。