KREVA、環ROY、泉まくら……ラッパーたちの作詞術に迫る『ラップのことば2』を読む

「たとえばGAKU-MCさんがミスチルの桜井和寿さんの歌詞について言及したり、泉まくらさんが西野カナさんやE-girls、でんぱ組.incなどが好きだということを明かしています。また、NORIKIYOさんが長渕剛さん、SKY-HIさんがSEKAI NO OWARIのFukaseさんと交流を持っているなど、彼らがラッパー以外のミュージシャンからの影響を語っているところも、この本の面白さだと思います。ラップやヒップホップはある種、閉塞的な音楽ジャンルのように捉えられることもありますが、実は彼らは他のジャンルの音楽にもアンテナを張っていますし、そこは意外に感じられるのでは。これまであまりラップを聴いてこなかったリスナーが、本書を通してラップシーンやヒップホップに関心を持つきっかけになれば幸いです」

 作詞術を軸とすることによって、ラップの魅力を多元的に読み解いた『ラップのことば2』は、ラップファンのみならず、あらゆる音楽ファンにとって興味深い読み物といえそうだ。
(文=松田広宣)

■リリース情報
『ラップのことば2』
企画編集:猪又孝
発売:2014年4月11日
体裁:四六判/上製/320頁
価格:本体2200円+税
ISBN:978-4-907435-23-3
発行:スペースシャワーネットワーク

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