「今のアイドル界は自由でやりたい放題」もふくちゃんとでんぱ組.incは今後どこに向かう?

――ちなみに、こういう人に楽曲制作を頼みたいという希望はありますか?

もふく:また、『でんぱれーどJAPAN』『でんでんぱっしょん』の作曲をお願いしたWiennersの玉屋2060%さんと一緒にやりたいなっていう気持ちがありますね。彼は天才だと思っているので。

 あと、この歳になって「言いたいことって、人生の中でひとつかふたつしか伝えられないな」と気づいたんですけど、これはアイドルも一緒で、“タグ”は1、2個しか乗せられないんですよね。数が多すぎると、複雑になりすぎちゃって、誰もわかんなくなって、ついてこなくなっちゃう。でんぱ組.incは今、奇跡的なバランスで成り立ってるなと思っていて。今までずっと、ある程度までは広げつつも、余計なところにはボールを投げないように気をつけていたので、その成果だと思っています。

 ただ、これはあくまでも、でんぱ組.incに限った話。他のユニットでは、いろいろとやりたいことがあります。新しいユニットを作りたい気持ちはずっとあって。売れるかどうかを全く考えていない、カオスなグループを作りたい(笑)。

 そんなことを考えると、今のアイドル界は自由でやりやすくなっていると感じます。やりたい放題じゃないですか。また、今いろんなレーベルの方がみんな仕掛けてきている。おもしろいなー、みたいな、最近はこんな感じでいろんなことを少し俯瞰して見ている状況。今までずっと、でんぱ組.incに打ち込んで、放出し続けてきたので、充電期間です(笑)。

 今、本当に状況が変わってきていますよね。今年のTIFも、現場には行けなかったけれど、BiSがトリを務めたことが、ものすごく印象的でした。かつてのTIFならありえないこと。もう単なる“アイドル業界”とは言えなくなっている。そういう意味で、音楽業界全体が変わってきたなと感じています。

■福嶋麻衣子(ふくしままいこ/もふくちゃん)
株式会社モエ・ジャパン代表取締役社長。東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業。でんぱ組.incのプロデュースのほか、秋葉原にあるライブ&バー『ディアステージ』や、アニソンDJバー『MOGRA』の運営なども手がける。TOKYO FM『妄想科学デパートAKIBANOISE』(水25:00)にもレギュラー出演中。

(インタビュー=エドボル/構成・文=編集部)

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