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AKB48「Teacher Teacher」の“K-POPっぽさ”はどこにある? パフォーマンスの特徴を分析

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 センターを務める小栗有以を筆頭に、脚線美を強調したメンバーの衣装はもちろん、セクシーな歌い回し&ダンスで“グループ史上最も危険なMV”との呼び声も高いAKB48のニューシングル『Teacher Teacher』(5月30日リリース)のMV。4月7日放送の『CDTV祝25周年SP』(TBS系)で初披露されたタイミングからサウンド・ビジュアルともに“K-POPっぽい”という感想が多く見受けられる同曲だが、そもそもK-POP的なパフォーマンスとは、どういうものを指すのだろうか。本稿ではMVの映像を参考に、視覚的な特徴について解説する。

AKB48『Teacher Teacher』(初回限定盤A)

 一言でK-POPの女性グループといってもヒップホップ色を強調した2NE1(2016年解散)などさまざまなタイプのグループが存在するが、日本でも一世を風靡した代表的なグループとしては長身&美形ぞろいで、高い歌とダンスのスキルを持つ少女時代やKARA(2016年活動休止)、AFTERSCHOOLなどがいる。そして2018年現在は“TTポーズ”で大ブレイクしたTWICEや、今回の「Teacher Teacher」と同じ振付師パク・ジューが手掛けるGFRIENDらが活躍中だ。

 楽曲コンセプトによっても変わってくるが、いわゆる女性K-POPグループのセクシー系のパフォーマンスには、アメリカのクラブショーなどで上演されている“バーレスクダンス”をモチーフにした動きが多い。映画『ムーランルージュ』(2001年)主題歌でクリスティーナ・アギレラ、リル・キム、マイア、ピンクの豪華コラボで大ヒットした「Lady Marmalade」のMVや、その名もずばりなアギレラ主演の映画『バーレスク』(2010年)などでもフィーチャーされており、日本では倖田來未が「Love Me Back」(2011年)などで取り入れてきた王道のスタイルでもある。K-POPのアーティストたちは、身体をなでるなどボディラインを強調する動きの多いこのスタイルのダンスを、大胆な開脚を避けるなどアイドルらしさを損なわないように取り入れてきた。「Teacher Teacher」にはバーレスクダンス的な動きは少ないが、フェイスラインを繰り返しなでるようなエロティックな振りが、<Teacher Teacher>と同じワードを繰り返すフックソング的なサビと相まって強く印象に残る。

 もう一つ大きな特徴としては、この手のダンスをグループ全員がユニゾン(同じ動き)で、1列やV字型に並んで展開することだ。K-POPのダンススタイルとして近年好まれているのが全員が指先までの動きをビシッとそろえるカル群舞(グンム)だが、同じくらいの背格好のメンバーが同じ動きを見せることで、観る人に強くそのグループを印象付ける視覚的効果がある。対して日本では、フォーメーションチェンジを繰り返しながらメンバー一人一人をフィーチャーしていくスタイルが一般的だ。ここに美人&長身がアイドルの基本とされる韓国と、メンバーそれぞれの個性を楽しみ、洗練されていく過程を見守る日本のアイドル文化との大きな違いがあった。

 今回の「Teacher Teacher」のMVでは個々のメンバーを追うアングルが多いものの、引きで見ると直線的なフォーメーション&セクシー感を強調した振りのユニゾンが多く、これまでよりもグッと成熟したグループとしての印象を強くアピールしている。リリース前にしてすでに波紋を呼んでいる同曲だが、J-POPアイドルたちが築いてきた“伝統芸”的ダンスにも大きな一石を投じたのかもしれない。

【MV full】Teacher Teacher / AKB48[公式]

■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。

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