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リアルサウンド映画部 記事先行公開Part4

なぜファレルは『ミニオンズ』に参加しなかったのか? 同作プロデューサーにインタビュー

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クリス・メレダンドリ
ミニオンズ
宇野維正
映画
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(C)Universal Pictures and Illumination Entertainment

 毎月のように次から次へと記録的なヒット作が生み出されている2015年のアメリカ映画界。『怪盗グルー』シリーズ最新作にして、人気キャラクターのミニオンたちの起源と60年代ロンドンでの活躍を描いたスピンオフ作品『ミニオンズ』も世界中で特大ヒットを記録している。アメリカ国内の初日の興行収入はアニメーション作品史上歴代1位、初週の興行収入も歴代2位と、とにかく圧倒的な強さ。日本にいるとディズニー(&ピクサー)1強時代が続いているようにも見えるハリウッド・アニメーション界だが、実はまったくそんなことはないのである。この『怪盗グルー』シリーズも、作品を追うごとに日本でも興行収入を倍々ゲームで伸ばしていて、今や子供たちとその親たちだけでなく、10代〜30代の女性たちもメインターゲットなのだという。そして、そんな観客層の拡大に貢献したのは、前作『怪盗グルーのミニオン危機一発』の主題歌であり、名実ともにその年のソング・オブ・イヤーとなったファレル・ウィリアムスの「HAPPY」であったことは言うまでもない。

 さて、実は今回の『ミニオンズ』、1作目から主題歌のみならずスコアにおいても深く作品に関与してきたそのファレルが参加していないのだ。その代わり、スクリーンを彩るのは誰もが耳馴染みのある、60年代のポップソング&ロックンロール。その方向転換の理由、そして「そもそも『ミニオンズ』とは何なのか?」について、シリーズの生みの親であるプロデューサー、クリス・メレダンドリに訊いてみた。

「本来は善なるもの、純粋なものが、悪に仕える。それがミニオンズなんだ」

――プリクエル(前日譚)というのは、実写映画ではシリーズもので役者のギャラが高くなりすぎた時に、新しい役者たちを用いてリブートする際にしばしば使われてきた手法です。今回、それを役者のギャラとは関係のないアニメーションでやったというのが、まずはおもしろいなって思ったんですけど。

クリス・メレダンドリ(以下、メレダンドリ):続編を作るか、プリクエルにするか、その決定をする前に、今回はミニオンたちが主役のスピンオフ作品を作ってみようというのが、そもそもの企画の発端だったんだ。とにかくスタッフがミニオンたちを描くのが大好きでね。で、ストーリーをいろいろと考えていったんだけど、やっぱりその中で一番おもしろくなりそうなのは、今回のように「彼らは一体どこからやって来たのか?」ということを描くことだったんだ。

――「太古の時代からずっと強いものに寄生してきた」というのが、今回の作品で描かれているミニオンたちの習性です。これは、何かのメタファーなのでしょうか?

メレダンドリ:寄生ではなく、あれは純粋な気持ちで仕えているんだ。彼らが仕えるのは力のある者で、力のある者というのはえてして悪党であったりする。悪党に仕えるのだから、必然的に悪事を働くことにもなるのだけど、彼らの「仕えたい」という気持ちはあくまでも善意からなんだ。本作のおもしろさというのは、本来は善なるもの、純粋なものが、悪に仕えるというところにある。

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クリス・メレダンドリ氏

――それが人類の歴史でもあったと。

メレダンドリ:そこまでは言わないけれど、そういう解釈もあるだろう(笑)。

――今作ではサンドラ・ブロックやマイケル・キートンといった名優たちが声優として参加しています。ハリウッドのアニメーション作品ではもうお馴染みになりましたが、ハリウッドのトップスターが声優の仕事を積極的にする理由はなんなのでしょうか?

メレダンドリ:きっと、二つの大きな理由があると思う。一つは、彼らは映画のカメラの前に立つ前に、ヘアドレッサーやメイクアップアーティストや衣装係と何時間も準備をするのにうんざりしている(笑)。アニメーションのアフレコでは、彼らは普段着のままブースに入って、マイクの前に立って、そこで演技をして、そのまま家へと帰っていく。普段大掛かりなセットの中で仕事をしている彼らにとって、それはとてもいい刺激、いい気分転換になるんだと思う。もう一つの理由は、彼ら自身の子供たちだね。自分の子供、あるいは自分の親戚の子供たちに対して、人気のあるアニメーション作品のキャラクターの声をやっているのは最も誇れる仕事なんだ。休みの日に、彼らは子供たちと一緒にそういう作品を観るわけさ。

     
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