亀田誠治がEテレ『亀田音楽専門学校』で、J-POPのヒット術を明かす(第3回)
きゃりーぱみゅぱみゅは日本最大の輸出品!? 和の心が凝縮された“ヨナ抜き音階”とは
3:ヨナ抜きは日本最大の輸出品
海外で受け入れらたヨナ抜きの名曲としては、イエロー・マジック・オーケストラの「ライディーン」、きゃりーぱみゅぱみゅの「つけまつける」を紹介。亀田は「ヨナ抜きは日本最大の輸出品だと僕は思っていて、「ライディーン」は1979年にヨナ抜きを引っさげたテクノで一世を風靡して、40年経った今、きゃりーぱみゅぱみゅが世界に進出している。日本人のアイデンティティを表明する上で、ヨナ抜きベースの音楽は欠かせない存在になっていると思います」と語った。秦はそこに「僕ら日本人もヨナ抜きを聴いて『和風』と感じていますが、世界の人たちはそれ以上に『和風』を感じるということはあるんじゃないですか?」と続けた。亀田は「ある意味、ヨナ抜きは『フジヤマ』とか、『スシ』『テンプラ』のように、外から見た日本を端的に表す、音楽の代表選手だと思います。日本の財産です」と胸を張った。
4:ヨナ抜きが崩れてシーンが変わる
亀田はさらに、ヨナ抜きならではのテクニックを解説。「放っておくとすぐに『は~こだって~』(北島三郎「函館の女」)というテンションに行っちゃいがちなんですけど、それまでヨナ抜きの音階で来たメロディが崩れると、僕たちはものすごく“シーンのチェンジ”を感じるんです」と語り、実例として再び「木綿のハンカチーフ」を挙げた。同曲では、男女それぞれの心境を一人称で歌っているが、歌詞が女性側に移る瞬間、一音だけ『ナ=シ』が入っている。それによって、“シーン”に変化が生まれ、男女の心境のすれ違いを表現しているのだ。
番組の後半では、秦がギターとボーカル、亀田がベースを務めるスペシャルバンドで『木綿のハンカチーフ』を演奏。ヨナ抜きならではの情感あふれるメロディと、ヨナ抜き崩しによる男女の心境の入れ替えを、存分に味わえる演奏となった。
『亀田音楽専門学校』、次回10月24日の放送では「オトナのコード学」について講義する予定だ。
(文=編集部)