BorisのAtsuoが語る海外ライブ事情と、日本のバンド界の課題(後編)
「お客さんの耳がちぎれて床に…」Borisが明かす海外ツアー仰天体験と、“言葉の壁”突破法
――また、国内の音楽シーンを見てなにか感じることはありますか。
Atsuo:こないだも風男塾のライブに行ってきたんですけど。
――どうでしたか?
Atsuo:いやぁ……もう……「一生懸命頑張ろう!」って思う(笑)。ああいうね、男性に「男っていいよな?」とか言われるとね(笑)。成田(忍、風男塾のサウンドプロデューサー)さんがもうねえ、本気。もう曲名が『棚田米』ってタイトルなのにめちゃめちゃダブステップだったりして。全然歌詞と音楽関係無い。すべて全力。
――アイドルブームという状況だからこそ、音楽的に冒険できる部分はありますよね。
Atsuo:そういう意味では、バンドはすごく突きつけられてますよね。「ただ3人4人で楽器弾いてる人たちに何の売りがあんの?」みたいな。初音ミクだって普通のバンドよりも認知度があったりとか。ただ、そろそろ出尽くしてきた感、ジャンルの細分化も行くところまで行っちゃって、ちょっと全体的に閉塞感があるなあとは思いますよね。やりあぐねてる。あとは、言い方は悪いですけど、“誰かの死に待ち”みたいな空気あるじゃないですか。
実際バンドを長くやってる人たちが、バンドの活動歴の長さよりも死への時間の方が近くなってる。そういうトピックじゃないと動かない人たちもいるというか。そんな風に実は不穏な感じも僕は受けてて、もう少し普通に音楽が楽しめる環境になればな、と。
――そんな風に、亡くなったら瞬間的にニュースになってしまうし、AKB48の選挙とかもそうですけど、楽曲よりもイベント性の高さが重視されている環境ではありますよね。
Atsuo:時の流れとともに……ネットのせいもありますけど、すべての情報が均等になるように、イベントも死も同距離になってしまっている。もともと、音楽自体その場であらわれて消えていく刹那的なものなんですけどね。
――近年の国内のロックシーンのトピックといえば、フェスの隆盛だと思うんですが、日本のフェスって誘われますか。
Atsuo:富山のS.V.C SAY HELLO FESTIVAL 2013に出たのと、09年に朝霧JAM、11年にKAIKOOに出たくらいですね。日本のフェスってメタルバンドが出られるところってあんまり無いですもんね。それこそLOUD PARKに出るような真っ当なメタルバンドでもないんで、僕らは。まあそういう音楽業界にも参入してない、某誌に広告打ったこともないですし。僕ら「ローファイ・メタル」ですからね(笑)。いやいや、今まで一度もメタルを名乗った事はないんですけどね。(笑)
――9月にはDEADENDのトリビュート『DEAD END Tribute -SONG OF LUNATICS-』にも参加されてましたよね。あの中でも相当独特の立ち位置だったように思えます。
Atsuo:DEAD ENDのトリビュートはすごいおもしろいと思います。あのトリビュートは僕のなかでは節目な感じで。僕らみたいな全然ヴィジュアル系じゃないバンドもいたり、ヴィジュアル系の中でも色んな人がいたりして、そういう音楽が世界にもどんどん出て行ってるし。この20年くらいの日本のRock史の集大成的な、節目の作品としてすごく意味があるものだと思いますね。気合い入りました。失礼の無いように。なのに結果ローファイサウンドですからね。そういう好みなんでしょうがないんですけども。
この記事のタイトルにも「"ローファイ・メタル"の真髄を見せる!」とか書いておいてください。そんなジャンルどこにもないですけどね(笑)。
手刀-Chop- presents
"Boris vs SEX-virgin killer-"
2013.10.13(SUN)
Ikebukuro CHOP (Tokyo)
OPEN 16:30 / START 17:00
ADD \3,000(+1Drink) / DOOR \3,500(+1Drink)
w/ SEX-virgin killer-
TICKET:
e+ (9/8 12:00~)
PC, 携帯, スマートフォン
CHOP (9/8 17:00~(チケットは公演当日引き換え))
TEL: 03-5951-1127
e-mail: info@chop-tokyo.info
タイトル「10/13予約センター」、本文→・名前フルネーム・電話番号・枚数・お目当てを明記してください
(※キャンセル不可)
(取材・文=藤谷千明)