『Weekly Virtual News』(2026年9月1日号)

にじさんじ新人が好発進、ホロライブ儒烏風亭らでんが“世界を変える30歳未満”に選出 注目集めるバーチャルタレントたち

 VTuber、XR技術、メタバース――様々な“バーチャル”に関するトピックは、日々多く生まれている。企業による巨大な施策から、個人によるマイクロだが熱気あふれる取り組みまで、その規模は様々だ。

 連載「Weekly Virtual News」では、一週間のうちに起きた“バーチャル業界”に関連する様々な話題をピックアップ。ニュースとして紹介するだけでなく、筆者の独断と興味関心からフックアップしたいトピックも取り上げる。

8月末デビューのにじさんじ新人は、音楽に長けた男性2名

 今年はコンスタントににじさんじから新人がデビューしている。8月27日には、新たなVTuberとして神永タイガ、山田龍一郎の2名がデビュー。ユニット「RhyZyGy(リジジー)」としても活動する。

 見た目はスタンダードな方向性の男性VTuber2名だが、両者とも音楽に造詣が深いようだ。神永タイガは弦楽器奏者で、Live2Dモデルも演奏モードが搭載済み。山田龍一郎は作曲に強く、デビューに合わせて作詞、作曲、ミキシング、マスタリングを一挙に手がけていたオリジナル曲を発表している。

【弾いてみた】IRIS OUT / 米津玄師【神永タイガ / にじさんじ】
【MV】いつかの幸せ / 山田龍一郎【にじさんじ】

 ルックスだけでなくプロクラスのクリエイティブが大きな話題を呼んだのか、すでに両名ともチャンネル登録者数が10万人を超えている。配信者だけでなく、クリエイターとしての活躍にも期待がかかる新人だ。

儒烏風亭らでんが「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2026」に選出

 hololive DEV_IS所属の儒烏風亭らでんが、ビジネス誌『Forbes JAPAN』が選ぶ“世界を変える30歳未満”の日本版「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2026」に選出された。

 儒烏風亭らでんはバーチャルタレントとしての活動だけでなく、学芸員資格保有者としての知識をフル活用した学術的活動も展開。とりわけ日本伝統芸能や芸術方面での活躍はめざましく、いまや博物館などの音声ガイド起用などはめずらしくないレベルにまで浸透しつつある。こうした実績が評価されたと見てよいだろう。

 昨年は星街すいせいが選出され、『Forbes JAPAN』の表紙にも抜擢されていたが、この枠から2年連続でバーチャルタレントが推挙されたことになる。著名なビジネス誌が2年も続けてピックアップしているところからも、バーチャルな存在が着実に社会へ根を下ろしていることがうかがえる。

星街すいせいとtuki.がKアリーナ横浜で対バンを告知

 バーチャルアーティストとして活躍を続ける星街すいせいと、若年アーティストのホープとして注目を集めるtuki.が、12月20日にKアリーナ横浜で対バンライブ「星降る晩餐会」を開催する。

 星街すいせいとtuki.は両者ともインターネットを中心に活動してきたアーティストだが、2025年にはともにカラオケへ行く動画を投稿しており、歌とおしゃべりを通して親交を深めていた。その後も、tuki.から星街すいせいへの楽曲提供が実現している。

tuki.ちゃんと星街すいせいでカラオケ行ってみた‼🌙✨(前編)

 バーチャルアーティストとリアル側のアーティストのコラボ自体はいまや当たり前におこなわれているが、対バンという形式でひとつのイベントを実施するのは珍しい。これまでの縁が結びついた対バンということで、ステージ上の出演形式も含めてどのようになるのかも気になるところだ。

ゴールは3Dアバターとライブ制作 VRChatで展開されるVTuberコンペを大日本印刷が主催

 VTuberの3D化と3Dライブの実施を、VRChat上で実現する企画が、大日本印刷主催でスタートした。VRChatなどのメタバース向け事業を手がけるメタバースクリエイターズ運営のもと、9月4日までVTuberの応募を受け付けている。

 大まかな企画の流れをまとめると、選考を通過したVTuber10名が、VRChatワールド「推しみゅー」に登場。パネル設置、映像投影、ワールド内のプリントシール機へのフレームとしての登場などのタッチポイントを提供しつつ、VRChat内通貨を利用したサポートを集める選挙イベントが展開される。

 サポートが最も多かった1名は、モーションキャプチャースタジオを使った3Dライブ収録が実施。ライブ映像はYouTubeやSNSはもちろん、VRChat上にも展開されるという。3Dモデルを所持していない場合でも、市販アバターをカスタマイズした3Dモデルが別途準備されるため、現段階で3Dモデル所持者でなくとも参加はOK。むしろ、3Dモデルを持たない人が3Dライブを作るための足がかりとなりそうだ。

 大日本印刷は、以前にも上記の「推しみゅー」を用いた3Dアイテムの流通に関する実証実験を行っている。印刷会社大手がVTuberやVRChatとの連携からどのような価値を生み出すか、注視していきたい動きの一つだ。

「VRChat内で稲作を学ぶ」 農水省支援のもと制作されたコンテンツが登場

 VRChat上で農業をテーマとしたゲームコンテンツ「たんぼ対抗米づくり選手権」が、8月20日から10月20日の期間限定で登場する。

 このコンテンツは、農林水産省の「米需要創造価値推進事業」の支援を受け、「ごはんで日本を元気にするコンソーシアム」が主催。VRChat向けコンテンツ企画・制作を行う株式会社Vが企画・制作・PRを担当している。

 ゲームの内容は、4月から9月までの全6フェーズで、乾田方式と水田方式の2種類からランダムで決定される栽培方法のもと、4つの農作業を組み合わせて稲穂を育てるというもの。戦略性を帯びたゲームであり、遊びながら稲作の流れを理解することができる体験学習コンテンツでもあるようだ。

 本コンテンツは単独のワールドではなく、交流ワールド「冒険者ギルド ダルウィニー」内に設置されている。このワールドは週替わりで、VRChat内の他のワールドへの入口と、各ワールド内で行うミッションが展開されており、その場で出会った人たちと目標を達成することで、新たな友人を作るきっかけを生み出す人気ワールドの一つだ。

 ソーシャル要素の強いVRChatでは、“地元”に根ざすコミュニティとの連携が、リアルの知名度以上の誘引力を生み出すことがしばしばある。本件もこうした狙いが見える取り組みだ。

歌手・鹿乃がVTuber事務所に所属、夢月ロアの訴訟が和解解決など さまざまな動きのあったバーチャル業界の一週間

連載「Weekly Virtual News」では、一週間のうちに起きた“バーチャル業界”に関連する様々な話題をピックアップ。ニ…

関連記事