チェ・ジョンヒョプの涙の理由は……? タイトルの伏線回収もあった『バカンスの法則』5週目(13~15話)振り返り
現在放送中のABEMAのオリジナルドラマ『バカンスの法則』。人生にほんの少し疲れた主人公が、そこで出会ったミステリアスな管理人と恋に落ちていく。ふたりの時間が、忘れかけていた大切なものをそっと呼び戻す"デトックス・ロマンス"作品となっている。
物語もいよいよ佳境へ。亡き祖母・信子の来訪や大型台風の接近、そして緑と西上の関係に訪れる大きな転機など、これまでの伏線が一気に動き出す。本稿では8月24日、26日、28日に放送された13~15話を振り返る。
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13話:お盆に亡き祖母・信子が帰ってきた! 必死に危機を知らせるが……
お盆の時期、亡き祖母・信子(松坂慶子)が別荘に帰ってきた。庭から緑(橋本環奈)たちの様子をそっと見守る信子だが、写真では黒髪だったはずが、なぜかピンクの髪になっていて驚かされた。とはいえ、信子と久しぶりに再会した死神の西上は、髪色にはノータッチ。ポーカーフェイスを崩さず、夏の終わりに土砂崩れが起こることを告げる。「緑たちを助けられないか」と食い下がる信子だったが、それは掟に背く行為であり、できないと突き放されてしまった。
それでも信子は、可愛い孫たちに危機を伝えようと声をかける。もちろん届くはずのない声だが、目には見えない力が作動し、なぜか音声アシスタント機器が反応。信子の言葉を反復し始めた。「別荘はセミリタイアした人が来るところ」「この別荘は呪われている」など、あの手この手で東京へ帰そうとするも、いざ土砂崩れの核心に触れようとした瞬間、ブレーカーが落ちて辺りは暗転。闇の中、見えないはずの信子の姿がほんの一瞬だけ映り込む。
停電のさなか、そこにいるはずの信子に向かって、静かに想いを語りかける緑。「これからもずっと別荘を大切に管理していくから」「バカンスは、この別荘でみんなで過ごせるように……」と言いかけたところで、西上が後ろから緑の口を塞ぐような恰好で姿を現した。緑が戸惑っている間に電気が点くと、そこにはキスを交わす兄・紺太(勝地涼)と親友・りんりん(山下美月)の姿が。予期せぬサプライズに驚かされつつも、なんとも微笑ましい一幕だ。
一方、信子はもう一度緑たちと話したいと西上に訴えるが、やはりかなわず、死神の力で元の場所に帰らされてしまう。そんな舞台裏の出来事など知る由もない緑は、ベッドの上でひとり、先ほどの西上とのことを思い出し、「恋が始まるかも」と胸を高鳴らせていた。恋愛経験ゼロの彼女が、自らの恋心を自覚した……これだけでも十分な進歩といえるだろう。
そんな緑がその後、子どもの頃に描いていた漫画のノートを何気なく開くと、真っ黒な死神のようなイラストが描かれていた。「誰だろう」と首をかしげると、ふと幼い頃、真っ黒な人物に出会った記憶が脳裏をよぎる。そして近くに置いてあるテレビには、夏の終わりに大型台風が接近するというニュースが……。バカンスのタイムリミットは、静かに、しかし確実に近づいていた。
14話:「バカンスで人は恋に落ちる」ついにタイトルの意味が明らかに
緑が高いところに実っている夏みかんを取ろうとしていると、西上が現れ、取りやすいように手伝ってくれた。これはまさに、緑が子どもの頃、ノートに描かれていた真っ黒な人物に会ったときと似たシチュエーション。だが緑は気づいていない。
二人はそのまま夏みかんピールを作ることに。これまでスマートな印象だった西上だが、みかんの薄切りに苦戦するという意外な一面も。くし形切りになってしまったみかんをそのままかぶりついて「苦い」とこぼす展開は、お茶目そのものだった。その後、緑は思い切って西上に「彼女とかいるんですか?」と問いかける。「そういう人はいません」という西上の返答を受けて、何やらうれしそうだ。
一方その頃、買い物に行く紺太とりんりん。紺太が「俺たちが付き合うとかってありだと思う?」と言うと、りんりんは「もうちょっと二人で楽しいことをいろいろやってから考えようかな」と返す。ネガティブな返答ではなく、“そういう未来”になる可能性への期待がにじむ言葉だ。この後二人は港でタイタニックごっこをしながら「将来有名になってお金持ちになって私を専業主婦にしてくれるー!?」「それって逆プロポーズ!?」と叫び合っていた。
そんなバカップルのようなふたりを見ながら、のんびり釣りをしていた紬(加納愛子/Aマッソ)と哲郎(桜田通)。「釣りってええな」と楽しむ紬の様子を見て、筆者としてはここが恋愛に発展する可能性もあるのかと一瞬期待したが、実は哲郎は緑が気になっているらしい。
夜、哲郎は音声アシスタント機器に向かって恋愛相談をしていた。「ある女性(緑)が他の男性(西上)と楽しそうにしていると胸が苦しくなる」と投げかけると、「特別な環境に身を置くことで恋愛感情が芽生えやすくなる」「バカンスで人が恋に落ちるのは法則のようなものですね」という返答が。「バカンスの法則」——こんな形でタイトルの伏線回収がされるとは。
終盤では西上が上司である黄泉様(声:七海ひろき)に「人間に恋をするなど以ての外」と釘を刺される場面も。バカンスの法則が生んだ恋心の行方、そして西上自身の想いはどうなるのか……。
15話:「私から逃げてますよね?」緑、西上に直球質問
毎日のように別荘に顔を出していた西上が、突然ぱたりと来なくなった。「また明日って言ったのに」「夏みかんピールできたのに」とモヤモヤを抱えたまま過ごしていた緑だが、ついに意を決して西上のもとへ向かう。
見つけるなり緑が放ったのは「私から逃げてますよね?」というストレートな一言。物怖じせず核心を突くその姿には、思わず目を見張らされる。差し出した夏みかんピールを西上が受け取らないと知るや、緑は「魚の餌にする」と言い放ち、そのまま海へ投げ捨ててしまう。すると西上はそれを追うように駆け出し、勢い余って海へ転落してしまうのだった。
その後、シャワーと着替えを借りに別荘を訪れた西上。二人のもどかしい関係にうすうす気づいていた紺太が気を利かせ、夜のBBQに西上を誘う。
一方、緑への恋心を自覚していた哲郎は、あえてアタックしないという選択をする。恋心はひと夏の思い出として胸にしまい、代わりに緑と“BBQ師匠”西上の恋を静かに応援すると決めたのだ。誰かを想うということには、さまざまなかたちがあるのだとあらためて気づかされる場面だった。
BBQ後の焚き火を囲みながら、一同は西上へ「このバカンスを安全に楽しく過ごせたのは西上さんのおかげ」と感謝を伝える。紺太が「これからもよろしく、頼むよ、“西やん”」と呼びかけると、他のメンバーもそれに続き、賑やかに記念撮影が始まった。
緑からプリントした写真を手渡された瞬間、黄泉様の「お前が仲良くしている5人は全員死ぬ」という言葉を思い出した西上は、目に涙を浮かべる。そこにあったのは、いずれ訪れる別れへの寂しさか、それとも彼らを不幸から救えない不甲斐なさか――。静かな涙の理由は、本人にしか分からない。
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