販売本数の9割が過去作? カプコン好決算で驚異的な“リピート販売”の成果が明らかに
株式会社カプコンが、2027年3月期第1四半期の決算を発表。売上高が前年同期比で54.7%増、営業利益が66.9%増という、大幅な増収増益となったことが分かった。今回公開された決算資料によると、好調の背景としては過去作の“リピート販売”の成功が考えられるようだ。
カプコンの今期の総販売本数は2,381万本で、前年同期の1,416万本から大幅に数字を伸ばしている。そしてこの中でリピートタイトルの総販売本数が2,126万本。つまり販売本数のおよそ9割近くを、リピートタイトルが占めていることになる。
カプコンが進めるIP戦略と、積極的な価格施策が功を奏した形だ。カプコンは以前から「IP価値を最大化するビジネスモデル」を掲げてきたが、今回の成功はまさに、強力なIPをフルに活用した事例と言えるのではないだろうか。
販売上位10本のうち7本を占めた『バイオハザード』
たとえば『バイオハザード』シリーズでいえば、今年2月に最新作『バイオハザード レクイエム』が発売され、累計販売本数800万本を突破する大ヒットを記録。そして同作の快進撃に牽引されるように、『バイオハザード RE:4』が今期販売本数243万本、『バイオハザード RE:2』が142万本と驚異的な売上を叩き出している。
これは完全新作IPの『プラグマタ』(251万本)に次ぐ、今期販売本数2位、3位を占める数字。その他にも多くの『バイオハザード』シリーズの作品がトップ10に入っており、IPとして強さを実感させる結果となっていた。
セール施策が生む、シリーズ旧作のロングテール
『バイオハザード』シリーズの驚異的なリピート販売数の背景には、セールといった価格施策も大きな要因だろう。今年6月には、『バイオハザード RE:4』がSteamで過去最安値となる1,247円(約75%オフ)という価格で販売された。また『バイオハザード RE:2』に関しても今年4月に、『バイオハザード RE:3』や『バイオハザード レジスタンス』とセットで1,377円というセールを行っている。
最新作の『バイオハザード レクイエム』が話題になった後に、過去作を大幅値下げしてリピート販売を促進した結果、今回の驚異的な売上に繋がったものと考えられる。今年のカプコンはリピートタイトルだけでなく、前述の『プラグマタ』や『バイオハザード レクイエム』といった最新タイトルも好調だが、そこから過去作の売上にまで導線を繋げたことが勝因と言えそうだ。
アニメとSwitch 2展開で広がる『デビル メイ クライ 5』
また『デビル メイ クライ 5』のように、メディアミックス戦略からリピート販売の促進に繋げる戦略もある。『デビル メイ クライ』シリーズは昨年Netflixでアニメが制作され、今年5月にはシーズン2が公開された。カプコンはこのアニメ化の話題性に合わせるように、『Devil May Cry 5 Special Edition』を1,000円以下の997円で販売。また新型ハードであるNintendo Switch 2向けの『デビル メイ クライ 5 デビルハンターエディション』ダウンロード版を6月23日にリリースするなど、マルチプラットフォーム展開も進めている。
昨今のゲームは脱パッケージ化、デジタル化が進行し、それにより過去の作品が売れやすくなるという構造ができている。パッケージ版が主流だった頃のように、過去作を中古ゲームショップで入手する時代ではないのだ。
カプコンの過去作の好調はまさにそうした構造に沿っている形で、IPの強さとダウンロード版のセールなどでロングテールを実現している。『バイオハザード』、『モンスターハンター』、『ストリートファイター』といったシリーズは、今後もカプコンおよび日本のゲーム業界を支えるキラーコンテンツとして存在感を発揮していきそうだ。