快適な装着感で、ノイキャンも効果大! Marshallのワイヤレス・ノイズキャンセリングヘッドホン『Milton A.N.C.』徹底レビュー

 2026年5月末に発売されたMarshallのワイヤレス・ノイズキャンセリグヘッドホン『Milton A.N.C.』を1週間ほど体験し、その快適さと音の良さに感動したので、以下で詳細をお届けしたい。

 リアルサウンドテックの読者諸氏なら、Marshallはご存知だろう。1962年にロンドンのハンウェルで創業したブランドで、ギターアンプを始めとする製品が多くのアーティストに愛されてきた。さらに近年は、ヘッドホンやBluetoothスピーカー、サウンドバーもラインナップしており、いつもいい音を楽しみたいという音楽ファンからの支持を集めている。

Marshallのヘッドホンは、「タクティリティ(触覚性)」にもこだわってデザインされている。『Monitor III A.N.C.』にもマルチダイレクショナルノブや、カスタマイズ可能なMボタンなどが搭載された

オンイヤー型&アクティブノイズキャンセリングという贅沢な提案

 Marshallのワイヤレスヘッドホンは2010年に登場し、現在はオーバーイヤー型の『Monitor III A.N.C.』とオンイヤー型の『Major V』をラインナップしている。新製品の『Milton A.N.C.』はその間に位置し、『Major V』ユーザーの、ノイズキャンセリグ機能が欲しいというリクエストに応えたモデルという。その際も単なる機能追加ではなく、新しい製品として企画したところが、品質にこだわるMarshallらしい。

 『Major V』の本体サイズや(ちょっとだけ大きくなっているけど)、オンイヤー型の快適な装着感を踏襲した上で、アクティブノイズキャンセリング(ANC)機能を追加。ノイズキャンセリング用と通話用で合わせて6つのマイクをイヤーパッドの内側と外側に取り付けて測定を行い、最適なキャンセリング効果に自動調整してくれる。

 ドライバーユニットは32mmで、低音の再現性を改良したことで迫力のある音が楽しめるそうだ。また、BluetoothのLDACコーデックに対応しているので、対応プレーヤーとの組み合わせならハイレゾ品質での試聴が可能だ。他にも、充電用のUSB-CコネクターをPCなどに繋げば有線でハイレゾ再生も楽しめる。

右イヤーカップ(写真の右側)には金色のコントロールノブを、左イヤーカップには黒いMボタンを搭載する。コントロールノブでは電源オン/オフや再生/停止などの操作が、Mボタンはアプリから任意の機能をカスタマイズできる

AAC接続では、キレの良い明瞭なボーカルを再生

 iPhoneとペアリングして、AAC接続で試聴をスタート。『Milton A.N.C.』を装着してみて、本体の軽さにまず驚いた。重さは約200gとのことだが、体感的にはもっと軽い。イヤーパッドの素材も柔らかく、クッション性が高いのでオンイヤーなのに耳にぴったりフィットする。側圧も適切で、これなら長時間つけていても疲れることはないだろう。

 Apple Musicでマイケル・ジャクソン「Beat It」を選ぶと、声の端々がやや強調気味なところもあるが、くっきりした音で、低域もそれなりに強く出てくる。カーペンターズ「Yesterday Once More」のカレンのボーカルもきりっとした印象になり、明瞭さと力強さが際立っている。

 最初は自宅のリビングで、ノイズキャンセリング・オフで聴いたが、続いてオンに切り替える。『Milton A.N.C.』はアプリの「Marshall Bluetooth」でノイズキャンセリング効果を4段階で切り替えられるので、ANCレベル最大にセットして音を確認した。

「Marshall Bluetooth」アプリでは、ノイズキャンセリングのモードや効果の強さの切り替えや、好みのイコライザー設定、Mボタンのカスタマイズなどが可能

ノイズキャンセリング効果もすごく自然 これなら常用したい

 ノイズキャンセリングをオンにすると、音場全体がすっと静かになる。室内でもエアコンの動作音などのノイズはあるわけで、そういった暗騒音が抑えられることで、音楽がより聴きやすくなる。音の変化も少なく、「Beat It」の低音がわずかにすっきりするような気もしたが、「Yesterday Once More」のカレンの声は伸びやかだ。

 ANCレベルを中にセットして同じ曲を聴く。この設定でもノイズキャンセリングの効果は充分だし、わずかながら音楽が伸びやかになった気もする。個人的にはこれくらいで使ってもいいと思った。この状態で聴く、カレンの声の美しさは、『Milton A.N.C.』ならではの魅力を持っている。

 次にスマホのPixel8とペアリングしてLDAC接続で同じ曲を聴く(ANCレベルは中)。Apple Musicでは「Beat It」はハイレゾロスレス、「Yesterday Once More」はロスレスで配信されているので、どちらもLDACを使うメリットはあるはず。

ドライバーは32mmと『Major V』よりも小型になっているが、再生周波数帯域は20Hz〜40kHzに拡大している。イヤーパッドは着脱式で、簡単に交換も可能

LDACやUSB接続で、ハイレゾの魅力も充分発揮

 細かな変化だけど、どちらも音に余裕が出てくる。「Beat It」でも、有名なギターソロのスピード感や低音に余韻が生まれることで楽曲全体が豊かに感じられる。カレンの声も消え際までしっかり聴き取れて、より曲に集中させてくれる。再生機が対応しているならLDACを常用したい。

 有線接続も試した。USB-CケーブルでMacBook AirとつないでApple Musicを再生する。ドライバーなどのインストールも不要で、すんなり高音質で再生されるのは嬉しい。印象はLDACとほぼ同じで、余裕のある楽曲として楽しめる。「Beat It」のイントロは力強さがアップしている。

 『Milton A.N.C.』には3.5mmアナログ接続用のケーブル(ヘッドホン側はUSB-C)も同梱されているので、これも使ってみた。アナログ接続では音量が下がるようで、MacBook Airのボリュームを80%くらいまで上げている。こちらも安定のサウンドで、マイケルの声もいっそうリアルだ。ギターの再現性、ピアノのタッチも透明感に優れている。

『Milton A.N.C.』のパッケージには、ヘッドホン本体とキャリングバッグ、充電用USB-Cケーブルとアナログ機器との接続用3.5mm→USB-C変換ケーブルが同梱されている

音楽を熟知したブランドらしく、声から楽器まで自然な音で聴かせる

 この他にも70年代ロックから最近のJ-POPまで、色々なジャンルの音楽を聴いてみたが、『Milton A.N.C.』はボーカルから楽器まで、自然なサウンドで楽しませてくれた。音楽を熟知したブランドが送り出したヘッドホンということが納得の仕上がりだし、ノイズキャンセリングの効果も音を邪魔しない絶妙なバランスだった。

 『Milton A.N.C.』は、自身で演奏を楽しむ音楽ファンはもちろん、推しのアーティストの声や演奏を心地よく聴きたいという方にも体験してもらいたい、ウェルバランスな製品に仕上がっている。特にLDAC接続やUSB-C経由でのハイレゾ再生は、音楽好きにはぜひ一度聴いてもらいたい。

 なおタイミングよく飛行機で出かけることがあったので、『Milton A.N.C.』を機内で試してみた。ここでもアクティブノイズキャンセリングが有効に働き、あの嫌な低音をカット、2時間ほどの移動がいつもより疲れないで済んだのもありがたかった。

■製品情報
『Milton A.N.C.』
メーカー:Marshall
価格:32,990円(税込)

主な仕様:
・ドライバーサイズ:32mm
・再生周波数帯域:20Hz~40kHz
・ドライバー感度:99.3 dB SPL(1mV @ 1 kHz)
・インピーダンス:32Ω
・オーディオコーデック:SBC、AAC、LC3、LDAC
・Bluetooth 6.0(LEオーディオ対応)
・再生時間:ANCオン最大約50時間/オフ最大約80時間
・充電時間:約2時間
・重量:約200g

販売チャネル:marshall.com、全国のMarshall正規販売店
公式サイト:https://www.marshall.com

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