「神出鬼没のミュージアムプリンセス」こと儒烏風亭らでんのエンタメで美術を学べる動画3選

ロダン『地獄の門』の前で歌って踊る夢を叶える

【 #儒烏風亭らでん生誕祭2026 】静岡トリエンらーでん2026!やりたいこと全部やって重大発表も!?【儒烏風亭らでん #ReGLOSS 】

 2026年の生誕配信では、彼女が音声ガイドを務めていた静岡県立美術館とのコラボレーション映像がたっぷり収録されている。

 館長による美術館の紹介、学芸員による展示美術品の解説、静岡ゆかりの芸術家たちへのインタビューなどをじっくり聴くことができる、美術好き垂涎ものの話題がてんこ盛りな内容だ。

 「やりたいことを全部やる」というテーマが掲げられたこの動画は、彼女が愛する美術品の解説を聞くだけでなく、美術館の内外で歌とダンスまで披露している。

 美術館前では「1000年生きてる」のカバーを熱唱し、これから美術館を楽しむにあたってのワクワク感を表現。ロダン館に入った時の心のときめきを表現すべく『地獄の門』の前で平沢進の「MOTHER」のカバーを歌い、踊る。学芸員の解説を聴いた後に、「エンバーミング」のカバーと、オリジナル新曲「出囃子ジャポニズム」を発表した。

 全編にわたって儒烏風亭らでんが楽しそうにしているので、こちらも自然と美術作品に興味が湧いてくる。彼女は自身の豊富な知識を話すことにも長けているが、多角的な視点を持った聞き上手であることが伝わる展示解説パートにもぜひ注目してもらいたい。大好きなものを全身で表現するアーティストであることを感じることができるだろう。

 なお、美術館に溶け込むようなバーチャルな姿の儒烏風亭らでんの表現も必見ポイント。これはVTuberのロケではあまり使用された例のない「3D Gaussian Splatting(3DGS)」という技術を利用した、実験的な試みになっている。

(参考「儒烏風亭らでん生誕祭2026」を支えたモーションキャプチャースタジオ「スタジオ Soup.」が誇る技術と制作への熱意を聞く - MoguLive https://www.moguravr.com/studio-soup-3d-live-hololive/

貴重な映像を学術系VTuberの仲間と共に届ける

【東京国立博物館】専門家たちで美術作品修理の現場に迫る!源氏物語図屛風とは?【儒烏風亭らでん /きら子/北白川かかぽ】

 様々な美術・工芸の現場に足を運んでレポート動画の撮影もおこなっている儒烏風亭らでんは、東京国立博物館が行っている「源氏物語図屏風」の修理の現場にも訪れている。特にこの動画は、表ではほとんど公開されることのない、いわば美術の裏側の世界を撮影したとても貴重な映像だ。

 かつて東京国立博物館は、「源氏物語図屏風」の修理のために、目標額3千万円のクラウドファンディングを実施していた。決して安い額ではない。

 儒烏風亭らでんは、PR案件でもなんでもなく、単純にひとりの美術愛好家としてこのクラファンに、正確な数字は発表されていないが「うん百万」を寄付したそうだ。当時はまだ達成率が低かったことから「東京国立博物館さんのクラファンがまだ80%なんです! 皆さんよかったら東京国立博物館のクラファンに寄付してください!」と自身の配信で呼びかけをおこなった。

 それがファンの間で話題になり、切り抜き動画やSNSでもバズを呼ぶと、同クラファンは目標額を大幅に上回る7千万円以上を達成した。繰り返しになるが、彼女はただ一心に、この美術的価値を守るプロジェクトを応援したいと個人的に支援していただけだ。そんなまっすぐな熱意が、視聴者の美術への興味を大きく動かした結果となったのだろう。

 寄付へのリターンとして、修理見学ツアーに参加した儒烏風亭らでん。このときは科学に詳しいサイエンスコミュニケーターの北白川かかぽと、日本古代史に詳しいきら子を招いて、3人で修理の様子を見に行っている。

【美術館ロケ】箱根ガラスの森美術館で貸し切りクイズロケ!?らでんのラジオゲストメンバーでガラスと貝細工の魅力に迫る!【儒烏風亭らでん #ReGLOSS 】
【 #らでさんぽ 】ジオ菓子編!ジオパークにクイズにお菓子作りまで!?大地の魅力に迫ります!!【儒烏風亭らでん #ReGLOSS 】

 彼女は他の学術系VTuberとも親交が深く、たびたび企業・個人問わず美術館や博物館をはじめとする様々な場所を訪れるオフコラボを行っている。それぞれ得意ジャンルが異なる複数人が集まると、多角的な視点で作品や文化に切り込んだ話を考えることができるため、話の深みがぐっと増す。会話が盛り上がるのが嬉しいのか、儒烏風亭らでんはとても楽しそうに喜び、感心し、そしてよく笑う。

 こうした振る舞いからも伺えるように、知ることは面白いこと、学ぶことは楽しいこと、という姿勢をずっと保っているのが儒烏風亭らでんという人物だろう。動画や配信内で視聴者に語り伝える際、いかにエンタメとして楽しませることができるか、深みを持たせることができるか、初心者にどう興味を持ってもらえるようにするか、という課題に向き合い続けて、工夫を凝らしている。同時に、学ぶ側としても常に腰が低く、リスペクトを持って接しているので、彼女が識者や職人から学ぶ動画の数々は、謙虚で見ていて気持ちがいい。感化されるファンが多いのも納得だ。

 率直な姿勢と熱意ゆえに、多くのファンに愛されている儒烏風亭らでん。多くの人に美術・工芸の魅力を伝える彼女の熱意の輪が広がり続け、今や美術界隈にも影響を及ぼし始めている。

 なお、儒烏風亭らでんと美術館のコラボについては、ロンドン・ナショナル・ギャラリーとのコラボの他に、2027年1月から東京国立博物館とのコラボも実施されることが決定しているようだ。現時点では詳細は明らかになっていないため、続報を待ちたい。

 自称「神出鬼没のミュージアムプリンセス」儒烏風亭らでん。彼女の快進撃が続くことで、さらに多くの人の、美術・工芸、さらには「知」への関心の扉が開かれることが期待できそうだ。

儒烏風亭らでん「まいたけダンス」のヒットから考える、短編アニメ業界の“新たな可能性”

VTuberシーンでは切り抜き動画をアニメーション化し、YouTubeなどにアップすることが増えているが、これは短編アニメーショ…

関連記事