突如現れた謎の爆食キャラ「しろまるくん」が話題 妙な“人間臭さ”が疲れた大人にブッ刺さる
TikTokに突如現れた、白いアザラシのような“謎のキャラクター”を知っているだろうか。その名も「しろまるくん」。しろまるはとにかく食べることが大好き。美味しいものを作って、食べて、満腹になって、ニコニコで寝る。それがしろまるだ。
2026年2月にTikTokで動画が投稿され、一本目の動画は22万回再生。その約1か月後の3月にYouTubeを開設し、たった2か月で登録者数は10万人を突破。「ハンバーグだいすき!」という動画は226万回再生を突破した。(2026年5月現在)
ここ数か月で急速に注目を集めている「しろまるくん」だが、やっていることは、ご飯を作って食べるだけ。なのになぜ、ここまで多くの人を惹きつけるのだろうか?
視聴者は子どもではなく“疲れた大人”?
しろまるがここまで人気になった理由のひとつに、“何も映えないリアルな生活”を送っていることがあるのかもしれない。SNSを通して、他人の生活がどんどん流れ込んでくるようになり、ひと昔前は理想的な生活の様子が注目されていた。だが、いまは映えを意識しないリアルな生活の方が安心感があり、動画コンテンツとしては人気を集めている。
しろまるはポテチを食べながら寝落ちしたり、ソースまみれになったり、ぼーっとしていたりする。そんなしろまるの姿は、「生活の幸せって、こういうことだったかもしれない」と改めて立ち返らせてくれる。
筆者が1番印象に残っているのは、一本目の「しろまるくん、ポテチを食べる。」だ。テレビを見ながら横になってポテチを食べていたしろまるだが、次第に部屋が真っ暗になり、テレビを見て涙を流し、最後にはよだれを垂らしながら眠りにつく。その姿は、本当に疲れ切って無気力な自分の休日と酷似しており、「誰よりも人間じゃん」と思ってしまった。
しろまるの動画には、とくに疲れている大人に刺さっているようで、「仕事の疲れが吹き飛ぶ」「疲れた社会人には生きがいすぎるチャンネル」「これ見て何でか泣いてる。」というコメントが寄せられている。しろまるの生活は、完璧ではない私たちの生活を肯定してくれるような気がするのだ。
可愛いだけではない。しろまるの人間味
動画は、基本的にしろまるが何かを作って、食べる。それだけだ。しろまるがこれまで食べてきたものは、ハンバーグ、カレー、サムギョプサル、二郎系ラーメン、ポテチなど。カロリーなんてお構いなしのラインナップだ。でもそれでいい。とにかく美味いものを食べて、幸せになる。それがしろまるだ。しろまるは、生活だけではなく“食”の面からも、私たちをひとつ解放してくれる。
だが、注目したいのは食べる姿だけではない。しろまるが住んでいるのは、畳の(おそらく年季の入った)アパートで、質素だがどこか温かみのある部屋である。そして、料理の工程も妙にリアルだ。玉ねぎをブンブンチョッパーにかけ、ブロッコリーや唐揚げは冷凍のものを使う。水道水を水筒に入れるなど、しろまるの料理は、随所に「分かる〜!」と言いたくなる“庶民さ”が散りばめられている。
一見、しろまるの雰囲気は『パペットスンスン』や『ちいかわ』に似ているようにも感じるのだが、二人と違うのは、この人間臭いところだろう。しろまるはとても可愛らしいのだが、やっていることや世界観はとてもリアルである。ちいかわのようにちょっと不思議な世界観もなく、スンスンのようにハッとする言葉を放つわけでもない。ひたむきに料理を作って、ひとりで食べる。地に足つけて生きている姿は、この手のキャラクターのなかではあまり見かけなかったものかもしれない。
概要欄によると、しろまるはAIキャラクターのようだ。動きは滑らかだが、不思議とストップモーションのような雰囲気も感じる。質感もぬいぐるみのようで、あまりAIらしさを感じさせない。そういった点も、見ている側は受け入れやすいのかもしれない。コメントには「創作物のAI利用に否定的だったけど、可愛いからいいんだそんなことは。」といった声もあった。あまりにもしろまるが可愛すぎて、筆者も正直そこはあまり気にならなかった。そんなことを気にさせないくらい、しろまるは我々を魅了する。しろまるが今日も美味しいものを食べ続けられていたら、それでいいのだ。
“料理を作る”という生活を頑張る姿、ご飯を美味しく食べるという幸せ、どことなく漂う哀愁。そうした要素から、しろまるはただ可愛いだけではなく、私たちと同じように“一生懸命生活している存在”として愛されているのかもしれない。食べすぎたり、ソースまみれになったり、だらけたり、完璧じゃなくてもちゃんと生きている。その姿に、「自分もこれでいいのかもしれない」と救われる人がいるのだろう。