『パルプ・フィクション』脚本家ロジャー・エイヴァリー、Runway AI映画祭に圧倒 「覚悟して、映画は一気に前進している」

 『パルプ・フィクション』(1994年)でクエンティン・タランティーノとアカデミー脚本賞を共同受賞した映画監督・脚本家のロジャー・エイヴァリーが、5月13日、生成AI動画大手Runwayが主催するAI映画祭で観た短編作品群について「正直、そのクオリティの高さに圧倒されている」とXに投稿した。Runway共同創業者でCEOのクリストバル・バレンスエラもすぐさま反応し、業界の注目を集めている。

 エイヴァリーは「@runwaymlのAI映画祭で本当に素晴らしい短編AI映画をいくつか観終えたばかり」と前置きしたうえで、「このクリエイターたちの作品が今後の方向性を示すバロメーターなら、覚悟してほしい。映画は一気に前進している(buckle up because cinema is leaping ahead)」と続けた。

 これに対し、RunwayのCEOクリストバル・バレンスエラは即座にリポストし、「buckle up because cinema is leaping ahead」と力強く呼応した。

 同じタイミングでRunwayは、「まだ存在しない番組」のトレーラーをAIで制作して競う初回「Big Pitch Contest for Shows That Don't Exist Yet」(賞金総額10万ドル)の20名の受賞者を発表。バレンスエラは「Runwayを使えば、夢に描いたどんなものでも作れてしまうという証明」「昨日サンダンスで初公開されたかのように見える、まだ存在しないけれどすぐにでも存在しそうなショーたち。全受賞者、おめでとう」と祝福した。

 さらにバレンスエラは、2023年5月にRunwayのGen-2モデルで嵐の海を進む船の動画を試作したクリエイターの投稿を引用し、「これはちょうど3年前。3年間の進歩は本当にすごい。次の3年が待ちきれない」とも投稿している。

 エイヴァリーは2026年2月、自身のテクノロジー企業General Cinema DynamicsからAI製作の長編3本を製作中と発表したばかり。「AIと冠した瞬間に投資マネーが集まり、3作品が一気に動き出した」と語っていた人物がRunwayのフェスティバルに惜しみない賛辞を送り、Runway側もそれを歓迎する。この一連のやり取りは、ハリウッドのAI受容のスピードがここ数か月で明確に変わってきていることを象徴している。

 Gen-4.5や世界モデルGWM-1で映像生成の最前線を押し広げるRunwayと、ピッチコンテストやAI映画祭が映し出す「まだ存在しない映像作品」の数々。エイヴァリーの「buckle up」は、その熱量を端的に言い表した一言だった。

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