『バイオハザード レクイエム』はサウナのようなゲーム? アラフォーゲーマーが感じた”交互浴”的快感
というわけで『レクイエム』は、暗闇の中でゾンビにビビり倒しながらおっかなびっくり謎解きをするグレースパートと、火力と格闘でゾンビの群れをばったばったと薙ぎ倒しながら進むレオンパートで、全くゲーム性が異なる内容になっている。推奨される視点位置も違うくらいで、グレースパートは一人称、レオンパートは三人称視点でプレイすることがオススメされている。そして、このふたつのパートの混ぜ込み方、特にゲーム前半での切り替えタイミングが絶妙なのが『レクイエム』の特徴だ。
前述のように、グレースパートは基本的に理不尽である。ゾンビを倒そうにも拳銃の弾は不足しがちで、「体術」のコマンドだってゾンビをどついてコケさせることくらいしかできない。どうしても倒すことができない敵もいる。なので、ビビりながら逃げまくるのが最善ということになる。当然ストレスが溜まる。いいようにこっちを追いかけ回してくるゾンビどもを、ボコボコにやっつけることができたらどんなに気持ちいいだろうか。ああ、めちゃくちゃデカいデブのゾンビに追いかけ回されるのにはもう疲れた。なんなんだよこの病院。作った奴はよっぽどのバカなんじゃないか。頼む、ゾンビをボコボコにさせてくれ……! グレースパートをプレイしていると、だんだんそんなことばかり考えるようになってくる。
ちょうど頭の中がそうなったころ、絶妙なタイミングでレオンが颯爽登場、ゲームの内容がガラッと切り替わる。チェーンソーをゾンビから奪い、豪快にぶった斬るレオン。散弾銃をめちゃくちゃデカいデブのゾンビに撃ち込み、ハンドアックスで頭をかち割るレオン。ゾンビを回し蹴りで吹っ飛ばし、爆弾で爆破し、短機関銃で蜂の巣にするレオン。「思い知ったか、これがおれ様の実力じゃい!」と、大変いい気分でゾンビを倒しまくる。ああ、気持ちいい。バイオハザード、さいこ〜〜!!
となったところで、またしてもグレースパートに切り替わり、プレイヤーはストレスを溜めることになる。それをレオンパートで解消し、またグレースに戻って謎を解き……というプロセスを繰り返しているうちに、ストーリーは進んでいく。イライラしながら謎を解き、ゾンビを吹っ飛ばしてストレスを解消するというプロセスを交互に進めるのは、まるでサウナと水風呂に交互に入るような心地よさ。「どこかでレオンパートに切り替わって、好きなだけゾンビをぶっとばせる」ことがはっきりしているので、いつしかグレースパートでイライラさせられるのが楽しみになっていく。これはもう、水風呂に入ってスッキリするために、わざわざ熱いサウナに入るようなものではないだろうか。そして気がつけば、延々と長時間プレイしてしまうことに……。これが「整った」というやつでしょうか。多分違うな。
というわけで、イライラとスッキリの交互浴を楽しめる、「サウナバイオ」とでもいうべき内容になっていた『レクイエム』。全世界で600万本も売れたというのも納得である。なにより、シリーズを30年間も作り続けて、まだこれだけの引き出しがあることにはつくづく驚かされる。まだプレイしていない人、特にサウナ好きの人には、激しくオススメしたい一本なのだ。