『バイオハザード レクイエム』はサウナのようなゲーム? アラフォーゲーマーが感じた”交互浴”的快感

 全世界でバカウケしているという『バイオハザード レクイエム』。『7』『ヴィレッジ』と順番にプレイしたということで、ついに自分も遊んでみることになった。驚いたのがこのゲーム、まるでサウナみたいな内容だったのである。

 すでにプレイした方はご存知だと思うが、『レクイエム』のプレイアブルキャラクターは二人いる。本作の主人公は、FBIのグレース・アッシュクロフト、そしてもう一人の主人公が、『バイオ2』から頑張り続けて今作ではけっこうなおじさんになっているレオン・S・ケネディである。『レクイエム』では、操作できるキャラクターが場面ごとに切り替わりながら、連続変死事件を発端にした巨大な陰謀の謎を追う形式となっている。クリス編とジル編にわかれていた初代バイオから考えると、ストーリーの語り方は相当こなれていると言っていい。まあ、30年経ってるから、当たり前と言えば当たり前なんですが……。

 グレースはFBIのアナリストである。つまり、最前線でバチバチ撃ち合うような仕事ではなく、基本的にはデスクワークがメインだ。そのことは冒頭のムービーや、なんだかオドオドした彼女の態度からも読み取れるようになっている。そんな彼女を、上司のデンプシーは連続変死事件の捜査の最前線に放り込む。母親を殺害されたトラウマを乗り越えさせたいという親心なんだろうけど、そもそも仕事の専門分野が違うのでは……。「は、はあ……」みたいな感じで事件現場に行っちゃうグレースもグレースである。

 ホラーゲームとしては、この「グレースは鉄火場に慣れていない」という点がスパイスとしてよく効いている。とにかく序盤のグレースは弱い。武器と言えば、投げると音がする空き瓶くらい。そんな状態でゾンビになった警官に襲われ、拉致されて逆さ吊りにされ、変な病院でデカくてキモい敵に追いかけ回され、シリーズ伝統の「ヒューズの取り付け」もやらされる。ストーリーが進めば小型の拳銃が手に入るけど、なんせちっちゃいピストルなのでゾンビを一匹仕留めるのに弾数がかかるし、それなのに手に入る弾薬の量が心許ない。おまけに、一部の敵はピストルでは倒すことができないのである。

 ということで、グレースを操作しているプレイヤーは、常に対抗手段がない恐怖に追いかけ回されることになる。その恐怖に拍車をかけるのが、プレイ中に漏れてくるグレースの声である。操作している間、グレースはずっと悲鳴をこらえている。冗談じゃなく、本当にずっと「ヒッ……ハッ……ハッ……ヒィッ……ハッ、ハッ……ヒィ……」と言っているのである。「ちょっとさあ! ずっとヒーヒー言われるとこっちまで怖くなるじゃん! やめてくんないかな!」と言いたくなるが、残念ながらグレースがこちらの注文に答えてくれることはない。グレースはずっとハーハーヒーヒー言いながら、嫌々死地に飛び込まされ続けるのである。

 一方、シリーズを重ねるごとに成長し、今やベテランエージェントとなったレオン。もはや完全にゾンビ慣れしていて、『レクイエム』ではちょっと路上でゾンビに襲われた程度では驚きもしない。『4』以来の回し蹴りも完全に板についており、ゾンビを撃っては蹴っ飛ばし、ハンドアックスで頭をかち割ってトドメを刺す一連の動作はなめらかそのもの。操作しているだけで自分もベテランのゾンビハンターになったかのように錯覚するくらいで、戦っていて非常に気持ちがいい。

 『バイオ』といえば、特性の異なる銃器を使い分けてゾンビを倒していくのも楽しいポイント。ちっちゃい拳銃しか持っていないグレースと異なり、レオンは拳銃・散弾銃・短機関銃・狙撃銃といった多彩な火器を使い分けることができる。それぞれの武器の切り替えスイッチは十字キーに割り振ることができ、スイッチングもスムーズ。「散弾銃の弾が切れたから拳銃に交代」「交戦距離が遠いから狙撃銃をチョイス」みたいな操作を繰り返すうちに、「あれ? まるでおれって銃器操作のプロみたい……」みたいな気分になってくる。

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