早くも“GOTY最有力候補”の呼び声 『プラグマタ』成否のカギは「密度の高い体験」に?

 4月17日、『PRAGMATA(プラグマタ)』が発売を迎えた。

 カプコンが贈る完全新作ゲームとして、発表時から話題を集めてきた同タイトル。本稿では、体験版の内容に寄せられたプレイヤーの声から、『プラグマタ』の成功の確度を考えていく。

カプコンが贈る完全新作のSFアクションADV『プラグマタ』

PRAGMATA - Main Trailer

 『プラグマタ』は、カプコンが開発/発売する完全新作のSFアクションアドベンチャーだ。舞台となっているのは、近未来の月面世界。数十年前に発見された月の鉱石「ルナム」から精製された「ルナフィラメント」は、物体情報をコピーすることで、形状だけでなく、性質や機能までもを再現できる夢の素材として研究が進められていた。しかし、ある日、月面にあるルナフィラメント研究施設との連絡が途絶えてしまう。調査チームの一員として現地を訪れたものの、巨大な月震に巻き込まれ、遭難してしまったシステム監査員のヒュー・ウィリアムズ。絶体絶命の状況に置かれた彼を救ったのは、ルナフィラメントで造られた“プラグマタ”の少女・ディアナだった。プレイヤーは、ヒューとディアナの2人を操作しながら、立ちはだかる敵ボットをはねのけ、地球への帰還を目指していく。

 特徴となっているのは、ハッキングとアクションを組み合わせた独自のバトルシステムと、圧倒的な没入度で描かれたSFの世界観、美しいグラフィック、ヒューとディアナのキャラクター性など。トレーラーを見てわかるとおり、その完成度の高さは折り紙付きだ。

 『プラグマタ』は、2020年6月にその存在が明かされた。カプコンが贈る新規IPということもあり、当初から話題を呼んできた同タイトルだが、その後は数度にわたり、発売を延期。発表から約6年の時を経て、ようやくリリースまでこぎつけた背景がある。特筆すべきは、何度“肩透かし”を食らっても、期待度がまったく色褪せていない点。待望の発売を前に、界隈の熱量はさらに高まっている現状だ。

 対応プラットフォームは、PlayStation 5、Nintendo Switch 2(※1)、Xbox Series X|S、PC(Steam)で、価格は、通常版が税込7,990円、ゲーム内衣装や武器スキン、エモート、BGM、デジタルアートワーク集を同梱したデラックスエディションが税込8,990円(※2)。なお、カプコンの公式オンラインストアでは、記事執筆時点で通常版以外のすべてのバージョンがソールドアウトとなっている。

※1…Nintendo Switch 2のみ、2026年4月24日発売予定。
※2…このほか、ディアナをデザインしたオリジナルのアクリルブロックをセットにしたバージョンや、アクリルブロック単品も展開されている。価格は通常版のセットが税込9,200円、デラックスエディションのセットが税込10,200円、単品が税込1,760円。

“期待どおり”である一方で、ボリューム面には不安も 『プラグマタ』は成功を手にできるか


 2026年に発売を予定しているタイトルの中でも、屈指の注目度を誇る『プラグマタ』。カプコンは2026年2月6日、体験版「Sketchbook」の配信を開始している。SNS上に集まるプレイヤーの反応を見ると、その評判は上々だ。彼らの声は、バトルシステムの斬新さ/面白さ、グラフィックの美しさ、ヒューとディアナの魅力的なキャラクター性などに帰結する。少なくともデモをプレイするかぎりには、事前の期待どおりのクオリティを持っていると評価することができる。

 とりわけ目立っていたのは、そのインプレッションから製品版の購入を決めたという声。これ以上ないほどに注目を集めているタイトルのデモが、本来持っていた期待値と同等、またはそれ以上のインプレッションを提供し、少なくないプレイヤーに製品版の購入を決意させること。それ自体が過去の事例を見渡しても珍しいことであると言えるのではないだろうか。ここに『プラグマタ』に含まれる体験の質の高さが集約されている。

 その一方で、懸念されていたのは、ゲーム全体のボリュームについてだ。含まれる体験が広く評価されている今回の体験版だが、プレイが可能な部分は限定的で、なかには30分以内でクリアしてしまうプレイヤーの姿もあった。デモ内にはタイムアタックともとれるクリア時間の表示があったことから、「製品版も同様に短時間での攻略を目指すような作りとなっているのではないか」と危惧する声が散見された。

 2026年3月、VジャンプWEBに掲載された開発者インタビューにおいて、ディレクターの趙容煕(チョウ ヨンヒ)氏は、想定クリア時間が10時間ほどであることに言及している。おなじく同インタビューに参加したプロデューサーの大山直人氏は、近年の「バイオハザード」シリーズほどのボリューム感を意識したと語っている。

 こうした全体のボリュームをどう見るかは、人によって判断がわかれるところだろう。しかしながら、“少なすぎる”ととらえられること自体が、『プラグマタ』の持つ無二のゲームデザインに対する最大級の賛辞とも言えるのではないか。大山氏によると、(クリアまでは10時間ほどだが)「バイオハザード」シリーズのように周回要素や探索要素などを盛り込んでおり、実際にはもっと長く遊ぶことが可能だという。もしかすると、今後の反響によっては、ダウンロードコンテンツとして追加シナリオが制作されることもあるのかもしれない。

 海外レビューサイトにおける発売前の評価では、軒並み高得点を獲得している『プラグマタ』。まだリリースされたばかりの段階ではあるものの、すでに界隈では2026年のGOTY(Game of the Year)の最有力候補に推す声も小さくない。はたして『プラグマタ』は期待どおりの体験を届けることができるだろうか。実現すれば、自ずとGOTY受賞への道も見えてくるはずだ。

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