賛否両論だった新作ゲーム『紅の砂漠』の評価が逆転! ユーザーから絶賛の嵐になった理由とは
3月20日のリリース当初、賛否両論を巻き起こしていた新作ゲーム『紅の砂漠』。しかしそこから1週間足らずでユーザーの評価が逆転し、いまや今年を代表するヒット作という位置づけになりつつある。なぜゲーム業界でも稀に見るほどの“大逆転劇”が起きたのだろうか。
発売直後は“操作性の悪さ”で賛否両論に
同作は『黒い砂漠』で知られるPearl Abyssの新作タイトル。シングルプレイのオープンワールドアクションアドベンチャーで、PC版のほかPlayStation 5、Xbox Series X|Sでもリリースされている。広大なフィールドとそこに生きる人々の様子が細部まで作り込まれているのが大きな特徴で、プレイヤーは自由度の高いアクションやロールプレイを楽しむことができる。
しかしリリース当初、同作は操作性の悪さなどの問題点を指摘されることに。ダッシュになぜかボタン連打が必要だったり、意図していないアクションが暴発したりと、さまざまな不満点が挙げられてしまい、レビューでは「慣れでどうにかなるレベルじゃない」「指が7本ある生物が考えた初期キーバインド」といった意見が見られた。
ほかにも不親切なUIやインベントリ(倉庫機能)の少なさなど、ゲームの快適さに関わる部分にネガティブな印象を抱く人が多かったようだ。
リリースから36時間で動いた異例のスピード対応
ところがリリースからわずか36時間後という段階で、同作の公式Xはユーザーの不満を真摯に受け止めていることを報告。改善に向けたパッチを準備していると告げ、実際にそこから怒涛の勢いでアップデートを行っていった。
たとえば3月23日のパッチでは、「ゲームパッドおよびキーボード/マウスの操作改善」などを実施。また3月29日のパッチではダッシュが長押しに変更されるなど、細やかな操作性の改善が行われたほか、新しい騎乗用生物なども追加された。かなり迅速な対応と言えるだろう。
こうしてユーザーの意見を積極的に取り入れたことをきっかけに、同作の評価は著しく好転している。Steam上では「すべての言語」のレビューが「非常に好評」というステータスになっており、一時同時接続プレイヤー数は27万人超えを記録したほどだ。また4月1日には、全世界累計販売本数が400万本を達成した。
なぜ短期間で“評価逆転”が起きたのか?
今のゲーム業界でこのように短期間で評価が逆転するのは非常に稀。リリース直後に評価を落した大体のゲームは、そのまま低空飛行を続けるか、長い期間が空いた後に再評価されるパターンがほとんどだ。毎月大量のゲームがリリースされる時代で、一度離れたユーザーを取り戻すのは容易ではない。
そんななかで『紅の砂漠』の評価がなぜ逆転したのかといえば、ユーザーの意見を積極的に汲み取り、スピード感のある対応を見せたことで、信頼感を勝ち取ったことが一番の勝因だろう。
さらにPearl AbyssのCEOであるホ・ジニョン氏は、当面は有料DLCなどを出さず、今回のような無料のアップデートに注力していく旨を公言している。この点もゲームの今後に期待が持てる発言で、プレイヤーには好感触だったのではないだろうか。
もちろん、ゲーム自体のポテンシャルが高かったことも好評の理由ではあるはず。そもそも操作性の悪さが指摘されながらも、多くのユーザーがプレイしていた時点で、それだけ同作が魅力的なゲームだったことが分かる。
リリース後にアップデートなどで完成度を高めていくのが当たり前になりつつある現代のゲーム。『紅の砂漠』はそのなかでもとくに大きな成功例と言えるだろう。今年のGOTY(Game of the Year)候補とも囁かれているが、どこまで評価が高まっていくのか注目したい。