映画『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』はさらなる“銀河”の存在とそれらを繋ぐ作品になるのか
『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』、野心的な作品になる可能性
そんな『スーパーマリオギャラクシー』シリーズを題材にした映画版続編だが、本記事執筆時点では断片的な情報しか出ていない。しかし、公開されたイメージビジュアルには『スーパーマリオオデッセイ』の舞台のひとつである「砂の国(アッチーニャ)」が描かれているという興味深い情報がある。
実は『スーパーマリオ オデッセイ』もまた舞台のひとつとして宇宙を含む作品だ。ここで思い出してほしいのが「別の銀河」である。もし映画版続編が、『スーパーマリオギャラクシー』の世界観を真に考慮して映像化しようとするなら、単に宇宙を冒険するだけでは不十分だ。「異なる銀河」「異なる可能性の世界」が存在することを描かなければならない。
その「異なる世界」のひとつとして『スーパーマリオ オデッセイ』の世界が登場するとしたら……? 映画版続編は『スーパーマリオギャラクシー』だけでなく、宇宙にちなんだ複数のマリオ作品の世界を「複数の銀河」として繋ぐ作品になる可能性があるのだ。
この仮説を補強する材料は他にもある。元々、映画版前作は細部に渡ってコアなマリオシリーズファン、任天堂ファンにしか分からない細かすぎるネタが随所に仕込まれていた。その傾向を踏まえると、劇場版続編は宇宙にちなんだマリオ作品の要素を網羅する集大成になる可能性が高い。
宇宙にちなんだアクションゲームのマリオ作品としては、『スーパーマリオランド』『スーパーマリオランド2 6つの金貨』『スーパーマリオ3Dワールド』が挙げられる。いずれも宇宙を模したコースが登場したり、敵として宇宙人が出てくる要素を持つ。
このことから、もしかすると『スーパーマリオランド』の大ボスを務めた宇宙怪人「タタンガ」のような、知る人ぞ知るキャラクターが電撃参戦することすらあり得るだろう。映画前作で『レッキングクルー』に出演したマイナーキャラクター「スパイク(旧ブラッキー)」が参加した実例からも期待される。
上映直前となった時期での「ロゼッタの絵本」への新章追加(並びに興味深い台詞)にも注目である。そこで世界観に関する補強が行われたのを踏まえれば、本編に別の可能性を示唆したり、あるいはマリオシリーズの世界観に新たな問いかけを残す試みもなされるのかもしれない。
こうして考えを巡らせると、『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』は単なる冒険活劇ではなく、マリオシリーズの世界観そのものに新たな問いかけを残す野心的な作品になる可能性が見えてくる。
もちろん、これらはあくまで現時点での推測だ。実際は前作のように娯楽性に全振りした内容にしてくるかもしれない。だが、そうした想像を巡らせる楽しみこそが、まさに上映まで時間がある今だからこそ味わえる特権ではないだろうか。
前述したように現在は劇場版の予習にも最適なHDリマスター版がNintendo Switch向けに発売中である。さらにその世界観の核心を垣間見ることのできる「ロゼッタの絵本」も出ている。
また、少々忘れられがちだが、『スーパーマリオギャラクシー』には事実上のスピンオフ(?)に当たる作品として、2022年発売の『マリオ+ラビッツ ギャラクシーバトル』もある。
こちらは『スーパーマリオギャラクシー』2作とは繋がりのないオリジナルの内容となっている。ただ、クッパが味方として参戦する展開やロゼッタの意外な立ち位置など、興味深い要素が目白押しだ。
こちらも映画版続編に小ネタとして登場する可能性もあるため、直前にプレイしておくと思わぬ発見があるかもしれないので、セットでオススメである。
まだまだ上映までには時間がある。それを利用して、ぜひ「複数の銀河」が持つ様々な可能性に思いを巡らせてみてはいかがだろうか。そうすることで、2026年4月、スクリーンに映し出される“銀河”がより特別な輝きを放つものになるはずだ。