『Shadowverse: Worlds Beyond』先行体験会レポート “超進化”したシャドバも快適プレイは健在、各クラスのプレイフィールにも迫る
Cygamesが運営する対戦型カードゲーム『Shadowverse』(以下、シャドバ)や『Shadowverse EVOLVE』(以下、エボルヴ)、そして新作『Shadowverse: Worlds Beyond』(以下、シャドバWB)のオフラインイベント「シャドバスペシャルフェス」が3月23日、ベルサール秋葉原にて開催された。当日はメディア向け先行体験会に参加し、『シャドバWB』のブラッシュアップされたカードバトルに触れてきたので、「超進化」や「エクストラPP」といった新要素についても都度触れつつ、その内容をレポートする。
※ゲーム画面は開発中のものです。
今回の体験会でプレイできたのは「ドラゴン」「ナイトメア」「ネメシス」の3クラスのデッキ。『シャドバ』初期から存在するドラゴン、サービス途中で追加されたネメシス、そして『エボルヴ』ではおなじみのナイトメアと、それぞれ出自が違う3クラスなのも面白い。なお、本稿でのプレイはすべてプラクティスモードでのものであり、対戦相手はネメシス(人形軸のデッキ)となっている。
デッキ情報:https://fes.shadowverse-wb.com/cards/
ナイトメア:粘り強さを武器に戦い、超進化を押し付ける
『シャドバ』ではネクロマンサーを使うことが多かったこともあり、体験会では同系統のクラスであるナイトメアから使用。基本的な使用感としては、墓場(ネクロマンス)やラストワード、リアニメイトを意識する、ネクロマンサーの正統後継者といったところだ。
バトル序盤は墓場を増やしたり、小型のフォロワーで相手を妨害/自身のリーダーを守りながら戦いつつ、進化ターン以降は強力な進化/超進化時能力を持つフォロワーでアドバンテージを取っていくようなイメージになる。特に《青薔薇の令嬢・セレス》は超進化するとターン終了時にバリア&リーダー4回復という破格の性能を持っており、超進化ターンまで温存して使用すれば、劣勢を覆す一手にもなるのではないか(今回は相手のネメシスクラスに必殺が多く、あまり機能しなかったが……)。
そして切り札である《奔放なる獄炎・ケルベロス》はやはり強力。自ら生成した《番犬の右腕・ミミ》か《番犬の左腕・ココ》を突進させて自壊し、超進化時能力「【リアニメイト_1】を2回行う」を発動させれば、どちらかを2体出して盤面処理するとともに、相手リーダーへのダメージか自分のリーダーの回復を行える。しかも『シャドバ』では1コストのためリアニメイトの邪魔になることも多かったトークンの《スケルトン》が0コストになっており、超進化したのに“ハズレ”が出てしまう……という事態が起きにくくなっている。ちょっとした変更だが、デッキ構築、プレイングの両面で自由度が上がっているのは間違いない。
また、『シャドバWB』の新要素であり、『エボルヴ』にも同名のキーワードがある(厳密には仕様は異なる)「アクト」も、ナイトメアのデッキで体験できた。3コストのアミュレットである《瞑地の霊園》は、ノーコストでアクト可能で、ゴースト2体を即時、自分の場に出せる。現状では処理/打点を予約するような使い方だが、『シャドバ』での《グレモリー》や《飢餓の絶傑・ギルネリーゼ》のようなカードが出たら“化ける”ことは明らか。さまざまなコンボがアクトと絡めて開発されていきそうだ。
ドラゴン:後攻なら2ターン目のブーストも可能で“パワー”は健在
ナイトメアの次に使用したのはドラゴン。体験会の時点で発表されていたカード情報で、PPブーストを行う《竜の啓示》が3コストであり、『シャドバ』の《竜の託宣》(2コスト)よりコストが上がっていることが話題になっていた(ドロー効果もPP最大値10のときに限定)。
この一戦では後攻となったのだが、『シャドバWB』では後攻のプレイヤーが「エクストラPP」として、5ターン目までに1回、6ターン目以降に1回、自身のPPを1増やすことができる。このシステムを使うことにより、なんと後攻の場合に限って《竜の啓示》を2ターン目にプレイすることが可能。あくまで後攻のため、必ずしも大きなアドバンテージを得ることにつながるとは言えないが、進化時にPPブーストできる《栄弦の天宮・リュウフウ》のプレイなどと合わせれば、かなり挽回しやすいのではないだろうか。
あくまで使用感としては「PPブーストして、高コストのカードでぶん殴る」という基本は『シャドバ』から変わっておらず、“先行2ターン目《竜の託宣》”という最上級の上振れがないため、理不尽さがやや減っているといったところか。ただ、体験会で触れた範囲ではどのデッキも切り札が1ターンで試合を終わらせるような性能ではないこと、進化ポイント/超進化ポイントが枯渇してからは決め手に欠けがちなこともあり、8コスト以上の強力なカードを複数抱えるドラゴンの武器は失われていないと感じた。
『シャドバ』と同じく、高コストのニュートラルカードもドラゴンにとっては生命線と言える。《勇壮の堕天使・オリヴィエ》はニュートラルカードで3デッキすべてに入っていたが、リソースとリーダー体力を同時に回復できるため、PPブースト→早期着地ができれば、リーダー体力の劣勢を跳ね返して主導権を握り返せるだろう。逆にドラゴンを相手にする際は《勇壮の堕天使・オリヴィエ》を安全にプレイさせないような盤面づくりも必要になりそうだ。
ネメシス:盤面処理に優れ、カード単体での強さも特徴
最後に、それまで相手として対峙してきたネメシスを使用。クラスの象徴とも言えるキャラクターであるオーキスが《プロシードハート・オーキス》として登場し、人形トークンを利用して試合を決める切り札としての役割を持つ。
『シャドバ』でもおなじみの人形カードを軸としているだけに処理能力が高く、盤面の取り合いで後手に回ることはほぼないという点では『シャドバWB』からの初心者プレイヤーにとっても使いやすい一方で、進化ポイント/超進化ポイントを大事に使わないと、終盤に押し切れない事態が発生しがちでもある。0コストの《操り人形》をどう使うかが戦況に大きな影響を与えるため、手札管理と戦いの緩急を覚えて成長しやすいクラスでもあると言えるだろう。
《プロシードハート・オーキス》がフィニッシャーとなることは前述のとおりで、《殺意の糸・ノア》や《狂気の創造者・リーアム》といったカードが補佐的に働けるかも大事なのだが、進化で1体、超進化で2体の同名フォロワーを出す《魔鋼の騎兵》のようにシンプルに強力な効果を持つカードもあり、『シャドバ』の2Pickルールでネメシスが上位リーダーに入りやすかったことも思い出す。《プロシードハート・オーキス》などの高コストカードの展開を待てない展開になった場合、《魔鋼の騎兵》のようなカードで力押しをするプランも、初期環境では求められるのではないだろうか。
テキストやUIは『シャドバ』から正統進化
そのほかでは既出の情報ではあるが、『シャドバ』で“特定の名称がないものの、よく出てくる”扱いだった能力に名前が付けられており、「攻撃されない」は「威圧」、「次に受けるダメージは0になる」は「バリア」(「能力で選択できない」は「オーラ」とも発表されている)に。「威圧」と「バリア」は体験会でも確認できた。バトル中のエフェクトはほぼ変わっていないので、『シャドバ』プレイヤーならすぐ適応できるだろう。『シャドバWB』から入るプレイヤーにとっても、「なんかこの文章よく出てくるな……」となんとなく感じるよりも、ひとつの能力として認識できるため、わかりやすいはずだ。
バトル中のUIなどは『シャドバ』を踏襲しており、基本的な見やすさ、理解しやすさは良い意味で変わっていない。バトル中に自分が先攻か後攻かをど忘れしたときや、バトル途中からの観戦時、個人的には先攻/後攻を『シャドバ』なら進化ポイントの数で判断していたが、『シャドバWB』では進化ポイントの総数が同じため、エクストラPPの有無で判断するといいだろう。また、今回はスマホでのプレイとなったが、快適な操作性が印象的な『シャドバ』と同じく、あるいはそれ以上にサクサクとプレイできるため、(端末の性能による差異もあるとは思うが)動作にストレスを感じることはないのではないだろうか。
最後に、『シャドバWB』のホーム画面はまだ開発中なこともあって紹介できないのだが、BGMは『シャドバ』のホーム画面で流れていた楽曲をアレンジしたもの(先日の生放送の待機画面で流れていたものと同じ)となっている。『シャドバ』の良かったところは変えず、楽しく遊べる工夫を凝らし、さまざまな面で進化を遂げた『シャドバWB』を象徴しているように感じた。リリースは6月17日。まだ3か月近く先となるが、いまはさらなる続報を楽しみに待ちたいところだ。
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