プロゴルファーに競り勝つYouTube運営とは? UUUM GOLF制作陣が語る“転換期”と“差別化戦略”
お父さん目線で見守っている視聴者も…成長物語で差別化
ーーコロナ禍はゴルフ業界にとって、いろんな転換期だったんですね。いまではプロの方をはじめとしたゴルフチャンネルもたくさんありますが、差別化はどのようにされているのでしょうか。
原田:これは当初からなのですが、老若男女というか、出演者の幅の広さはほかと大きく違うところです。ゴルフをやっている方のなかで「レジェンド」と呼ばれるようなシニアの第一人者の方やいまをときめく女子プロ、ティーチングのプロの方にも出ていただいています。もうひとつは、先ほどにも触れたかえでちゃんが成長していく物語みたいなものを散りばめているところも、ほかとは違うと思います。
僕は元々テレビの制作に携わっていたのですが、最近僕自身も動画に出るようになって、出演者との距離感が近いというのがYouTubeのいいところだと感じています。ゴルフをやっていて、自分が気になることは視聴者の方も気になることだと思っているので、スタッフである自分が気になったことをどんどん聞いていくというところも、差別化として意識しています。
ーープロの方にご協力をいただけるのは、UUUMだからこそなのかなと思いました。かえでさんはMCとしてご活躍されていますが、大変なことや苦労していることはありますか?
かえで:いまはゴルフがわかるようになってきたので、純粋に自分が気になることを聞いたり、言いたいことをいって動画が成立するようになってきましたが、加入当時はわからないことばかりでした。ゴルフは「紳士のスポーツ」と言われているので、マナーやルールがすごくたくさんあり、動画を観ている人はおそらくそういうとこが気になるんだろうなと思って。それまで人前に出る経験がなく、ゴルフもやっていなかったので、とにかく大丈夫かなと、日々不安に思いながら撮影していました。
ーー不安から抜け出せたのには、なにかきっかけがあったのでしょうか。
かえで:「100切り試験」をクリアしなきゃいけない時に、人の目を気にしていられなくなったというか。先生に教えてもらいたいことを聞いて、自分も一生懸命練習して、とにかく目標を達成することに向かって集中できたというのがよかったのかなと思っています。100切り試験当日は、挑戦の最初の部分だけ生配信をしたんですけど、その時に「頑張ってね」というコメントを予想していた以上にたくさんいただいて、嬉しかったですね。
原田:いまの視聴者はゴルフ初心者の方は少ないですが、かえでちゃんと同じ時期にゴルフを始めて、かえでちゃんと自分を重ねている人もいながら、お父さん目線で「ここまできたか」みたいに見守っている視聴者の方もいるんです。
ーーいろんな楽しみ方があるチャンネルなんですね。かえでちゃんはMCとしての立ち回りなど、意識していることはありますか?
かえで:UUUM GOLFは上級者や上の世代の方にみてもらうことが多いので、ほかのチャンネルよりもコメントがあまり身近じゃなくて。積極的にコメントをしてくれる方が少ないので、視聴者さんとの距離感を感じています。演者さんや私との距離感をもうちょっと近く感じてほしいなと思っているので、分かりやすいレッスンを発信していくことも大事だけど、私のできない部分や応援してもらえるような部分をみせて、視聴者さんとコミュニケーションをもっととりたいなと思っています。