連載:エンタメとテクノロジーの隙間から(第四十七回)

地下だけはもう嫌だ! 模範囚系社会人が丁寧な暮らしVlogを観てみた

 リアルサウンドテック編集部による連載「エンタメとテクノロジーの隙間から」。ガジェットやテクノロジー、ゲームにYouTubeやTikTokまで、ありとあらゆる「エンタメ×テクノロジー」に囲まれて過ごす編集部のスタッフが、リレー形式で毎週その身に起こったことや最近見て・試してよかったモノ・コトについて気軽に記していく。

 第47回は、調理工程を全カットし、「フルーチェ」をそのまま飲んで叱られたことがある、動画クリエイター担当・丹治がお送りします。

 丁寧な暮らしの対岸にあるような暮らしを送っています。スウェーデンの刑務所より無機質な部屋に住み、基本的に服は黒か白。食事は大体ローテーション。食事と風呂を同時にこなしたこともあります。いや、お尻に万札隠してないです! 離せ! 

 これは朝の準備が苦手、せっかちという自分の弱点から編み出した生活です。弱者の兵法ですね。

 一方、丁寧な暮らしとは、言わば“横綱相撲”です。ありのままの自分で勝負する。常にがっぷり四つ。相手にまわしを取られても動じない。

 丁寧な暮らしは、Vlogに代表されるジャンルでもあります。キキ(チャンネル登録者4700人:2024年11月21日時点)が投稿した「【vlog】 休日の日の1日 .휴일의 날」が、まさにVlogの理想系でした。地方暮らしの20代の女性が町中華を食べ、買ったメガネを紹介するシンプルな展開。BGMなし、時系列順に起こったことを並べて、それがいいなと思える。「こういうのでいいんだよ」と、独房のような部屋で、孤独に膝を打ちました。

 ただ、真似はできません。私は焦ってしまうから。人の暮らしが羨ましくなったとき、いつも漫画『働きマン』(講談社)のあるシーンを思い出します。

「あたしたちって仕事しすぎかな?」
「何言ってんの? 鍛えた筋肉が違うだけよ」
(参考:『働きマン』)

 結婚していく周りをよそに、編集者として奮闘する主人公。少し弱気になる彼女に対して、友人がかけた言葉です。

 詰まるところ、日々の生活に追われていても、何かで別の刺激で満足できれば、それでいいんだと思います。バランスはどこかで自然と取れていくもの。丁寧な暮らしはキキに任せて、私は模範囚のような暮らしを頑張ります。

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