TPSライクな操作感の「集中モード」や方向音痴ハンターにうれしい仕掛けも! 『モンスターハンターワイルズ』国内最速試遊レポート

『モンハンワイルズ』国内最速試遊レポート

 9月26日~9月29日にわたり千葉県・幕張メッセにて開催中の『東京ゲームショウ 2024』(以下、『TGS2024』)。ホール7内のカプコン特設ブースでは、『モンスターハンターワイルズ』の試遊台が出展された。

 『モンスターハンターワイルズ』は、2024年に20周年を迎えたハンティングアクションゲームの金字塔「モンスターハンター」シリーズの最新作。「禁足地」と呼ばれる、ダイナミックに姿を変貌させる広大な新フィールドを舞台に、数々の新モンスターや新アクションを引っ提げて、2025年2月28日に発売予定だ。

『TGS2024』にて日本初のプレイアブル出展を果たした『モンスターハンターワイルズ』
『TGS2024』にて日本初のプレイアブル出展を果たした『モンスターハンターワイルズ』

 『TGS2024』では、本作の物語のはじまりを描くカットシーンから「チャタカブラ」の討伐までを体験できる「ストーリー体験クエスト」と、群れをなす「ドシャグマ」の討伐を目指す「ドシャグマ討伐クエスト」の試遊が可能となっていた。今回は「ストーリー体験クエスト」をプレイする機会を得たので、そこでのインプレッションをお届けしたい。

 本編開始の数年前、「禁足地」との境界で「ナタ」というひとりの少年が保護されたことをきっかけに物語は動き出す。プレイヤーはハンター集団「調査隊」の一員として、「ナタ」の証言を手がかりに「白の孤影」と呼ばれるモンスターの調査に身を投じることになる――というのがストーリーの大まかなあらすじだ。

 「ストーリー体験クエスト」では、そうしたストーリーのプロローグを描くカットシーンがチェックできるということで、シリアスかつミステリアスな物語の幕開けに身構えていたのだが、いい意味で予想を裏切られた。冒頭から怒涛のようなスペクタクルシーンの連続だったからである。

 砂漠を疾走する砂上船の甲板から、砂中を泳ぐモンスターの群れに追われる「セクレト」(始祖鳥のような姿の乗用動物)を目撃した「調査隊」一行。その「セクレト」の背には怯える少女の姿があり、主人公は迷わず船上からはぐれ「セクレト」へと飛び乗って少女の救出を開始する。

主人公のハンター(画像右)と、「調査隊」の面々。従来の無口キャラから一転、本作では主人公がよくしゃべるので、「調査隊」でどのような群像劇が描かれるのかにも期待がかかる
主人公のハンター(画像右)と、「調査隊」の面々。従来の無口キャラから一転、本作では主人公がよくしゃべるので、「調査隊」でどのような群像劇が描かれるのかにも期待がかかる

 細長い体をうねらせ砂中をうごめく無数のモンスターの群れ。背丈をゆうに超える奇怪な形状の岩場。いまにも崩れそうな砂岩地帯を自慢の脚力で飛び移り、羽を広げて空を滑空するセクレト……。疾走するセクレトの背の上はさながらジェットコースターであり、コントローラーを握る手にも思わず力が入る。

 やっとの思いで少女に追いついた主人公。そこにモンスターの魔の手が迫るも、砂上船の仲間たちが投げ渡してくれた大きな包みがベストタイミングで主人公の手に。包みの中から現れたる大剣を一閃し、見事モンスターを撃退――という冒頭シーンのクライマックスもじつに爽快。「これぞ冒険の始まり!」というワクワク感に満ちあふれていた。

 その後、プロローグシーンから地続きに新モンスター「チャタカブラ」の討伐クエストが開始。フィールド内をある程度自由に探索できるようになって気付いたのは、狩猟をさらに快適にしてくれる細かな新要素の数々だ。

 『モンスターハンター:ワールド』の操作スタイルを色濃く受け継ぐ本作では、ハンターの標準装備「スリンガー」も続投。石や木の実を射出したり、ロープを伸ばして移動に使ったりと、狩猟中に何かと役立つ便利装備である。

 本作では、この「スリンガー」からいつでも「フックスリンガー」を発射できるようになり、離れた場所に落ちている石や木の実などを直接装填することが可能となっていた。

 くわえて「フックスリンガー」により、たとえばHP回復効果のあるコケにフックを伸ばせば、それを回収して自動でHP回復が始まるなど、環境アイテムや環境ギミックをより手軽に活用できるようになった点も大きな変化だと感じた。

 またマップ画面を開いてみたところ、デフォルトでは従来どおりの平面表示だったが、右スティックを動かすことで地図を3D回転でき、地形を立体的に表示できるようになっていたことも驚いた。

 たとえるなら、Google Map的な2D地図とGoogle Earth的な3D地図をシームレスに切り換えられるようなもので、筆者のような方向音痴ハンターにとってはまさに革命的な変更点と言える。そもそもセクレトを呼べばオートでモンスターのところまで連れて行ってくれるとはいえ、探索や採取では大いに役立ちそうだ。

カプコンブースに展示されていた、セクレト&ハンターの等身大フィギュア。セクレトはゲーム内でハンターを乗せて移動してくれたり、騎乗中に攻撃できたりと、頼りになる存在だ
カプコンブースに展示されていた、セクレト&ハンターの等身大フィギュア。セクレトはゲーム内でハンターを乗せて移動してくれたり、騎乗中に攻撃できたりと、頼りになる存在だ

 狩猟アクション面で最大の新要素だと言えそうな「集中モード」は、L2ボタンを長押ししているあいだ画面中央に照準が表示され、カメラ正面方向に攻撃やガードをくり出すことができる機能。

 従来のシリーズでは、モンスターに対してカメラ方向を動かしつつハンターの向きを調整して攻撃を当てるという並行操作が求められていたが、「集中モード」を使えばカメラ方向と攻撃方向(ハンターの向き)を一度に調整できる。とくにFPS・TPS系のゲーム性に慣れていて、本シリーズの操作スタイルが肌に合わないと感じていた人にはぜひとも活用をおすすめしたい。

 そしてこの「集中モード」には、「攻撃を当てられない!」という悩みを軽減してくれる初心者救済機能に留まらない、新たな楽しみも内包されている。本作ではモンスターの同じ部位に何度も攻撃を当てることで傷口が生じ、傷口になった部位に攻撃を当てるとより大きなダメージを与えることが可能なのだが――。

 「集中モード」中は、モンスターの傷口が赤くハイライト表示されることで一目瞭然に。前述の通り「集中モード」中は攻撃方向を直感的に調整できるので、“傷口を狙う”≒“特定部位を狙う”というやや玄人的な遊びかたが格段にやりやすくなったと言える。

 またモンスターに傷口をつくった状態で「集中モード」に入ると「集中弱点攻撃」という大技をくり出すことも可能に。

 狩猟笛の場合は、モンスターの傷口に連撃を与えたうえで好きな音色を5つまで吹けるという極めてありがたい性能だった。ほかの武器種においても大ダメージや大幅な自己強化などが期待できそうだ。傷口をつくって冷静にそこを狙う、という労力に見合う“ご褒美”的なシステムになっており、「集中弱点攻撃」を組み込んだ新たな攻略を探る楽しみも尽きないことだろう。

 強力かつ爽快な「集中弱点攻撃」のほかに、もちろん各武器種ごとに新アクションも追加されている。

 狩猟笛に関しては、左スティック入力+△+◯で発動する「叩きつけ」から追撃用の新技に派生できるようになっていたり、「特殊演奏」によりモンスターの攻撃を相殺しつつこちらの攻撃を当てられるようになっていたり(「特殊演奏」の性能は各狩猟笛によって異なる模様)と、これらの有効活用方法を探っているだけで試遊時間が一瞬で過ぎていった。

 今回試遊した「ストーリー体験クエスト」では、「チャタカブラ」を討伐した時点で終了とのアナウンスがあったため、筆者は「できる限り狩りを長引かせて時間制限いっぱいまで遊び尽くそう」とセコい考えを持って臨んだのだが……。

 新たなモンスターがくり出す未知の攻撃をかい潜り、慣れ親しんだ狩猟笛を振り回し、「集中モード」で傷口を狙い、新アクションを試そうとしてモンスターからの痛打を食らい、手近な岩場に生えていたコケを「フックスリンガー」で回収しHP回復し、逃げる相手をセクレトに乗って追い回し……とやっているうちに、気付けば「チャタカブラ」打ち倒して万感の思いに浸っている自分がいた。

 それほどまでに攻撃を当てることがとにかく楽しく、気持ちよかった。単に「フックスリンガー」や「集中モード」、「セクレト」などの存在によって狩猟がさらにストレスフリーになったから。という以上に、かゆいところに手が届く新要素や変更点のおかげで心の余裕ができ、「新アクションや環境ギミックを活用しながらカッコよく立ち回ってみよう」という意識が生まれたことが、夢中になって楽しめた要因だったように思う。

 今回体験した狩猟笛以外の武器種の新アクションや、刻一刻と姿を変える雄大な新フィールド、メインモンスターの「アルシュベルド」をはじめとする未知のモンスターや、久方ぶりの復活登場が報じられた「イャンクック」との再会など、期待すべき要素が満載の『モンスターハンターワイルズ』は、、2025年2月28日にPlayStation 5、Xbox Series X|S、Steam(PC)で同時リリース予定だ。

「白の孤影」こと、本作のメインモンスターである「アルシュベルド」。はるか昔に滅びたはずの「絶滅種」とのウワサも
「白の孤影」こと、本作のメインモンスターである「アルシュベルド」。はるか昔に滅びたはずの「絶滅種」とのウワサも

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