酷暑の夏にぴったり! 五感で楽しむ美術館『チームラボプラネッツ』体験レポ

『チームラボプラネッツ』体験レポ

 猛烈な暑さが続き、少し歩くだけでも汗がどっと出る毎日。今回はそんな暑い夏にぴったりのスポットとして『チームラボプラネッツ TOKYO DMM.com』を紹介したい。

 同施設は、昨年の来館者数(計250万4,264人)が、単一アート・グループとして世界で最も来館者が多い美術館「Most visited museum (single art group)」として、ギネス世界記録™に認定されたり、大規模な新エリアのオープンを発表するなど、近年勢いを増している美術館だ。

 『チームラボプラネッツ』は4つの巨大な作品空間で構成される『Water Area』と、2つの庭園から構成されている『Garden Area』があり、五感で楽しめる没入型の美術館となっている。施設に入る前に裸足になる美術館は中々存在しないだろう。

The Infinite Crystal Universe

 まず、足を踏み入れると広がるのは、『宇宙』をテーマにした空間。テーマの通り、まるで自分が宇宙の一部になったように、圧倒的な無数の光に包まれる。光のパターンが何種類もあり、みるみるうちに色彩が変化していくのが面白く、いつまでもいれると感じる空間だった。

The Infinite Crystal Universe

 また、奥に進んでいくと暗闇の中に広がる宇宙空間が。

The Infinite Crystal Universe

 暗闇の中で解き放つ光は、色が明確に映し出されていて、黒と鮮やかな色のコントラストが美しかった。

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング

 続いて広がるのは、水面に鯉が泳いでいる様子が映し出される空間。

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング

 歩き進んでみると、歩いたところが花に変化していく。よく見てみると、なんと人に触れた鯉が次々と花に変化していくのだ。一年を通して、季節の花が咲くようになっており、今回は夏仕様としてひまわりが咲いていた。自分の動きが作品の一部になるのが新しく、気付いたら鯉を花に変化させることに没頭してしまう、まさに“没入型の美術館”だと実感した。

意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊

 こちらの作品では、空間が無数の球体で埋め尽くされていた。

 球体は、人々がかき分けたり、叩いたりして衝撃を受けると、ピンク、緑、白と色が変化。次はどんな色に変化するんだろうというワクワク感を味わえる。空間を球体が埋めつくすなかで、出口が見えず迷路にいる気持ちになり、子ども心をくすぶられる作品だ。

意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊
意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊

 

Floating in the Falling Universe of Flowers

Floating in the Falling Universe of Flowers

 『Water Area』の最後を締めるのはこちらの作品。

 プラネタリウムのような部屋に入ると、一面に咲き渡る花々が空間に広がっている。地面も鏡状になっているため、360度どこを見ても楽しい。瞬きをするたびに織りなす花が変化する、まさに『花々の宇宙』が広がる幻想的な空間だった。

 寝転がるのも良し、座るのも良しで、見方も自由自在だ。咲く花が季節によって違うため、別の季節の花も見に来たくなる。

 続いて『Garden Area』を紹介しよう。

Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体

 この作品は、13,000株を超える生きたランの花に埋め尽くされている空間だった。

Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体

 人が近づくと花が上昇していき、進む道が出来る。人とばったり会うことで、違う人が作った色んな道に進めるが、筆者が行った際には人が少なかったため、いちから道を作る過程も楽しめた。また、展示されなくなったランは、敷地内の花屋で販売されており、持ち帰ることが出来る。実際に展示されていたランを家でも見れるのはとても嬉しい。

呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset

 最後の作品は、Ovoid(卵形体)が敷き詰められた苔の庭園である。

呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset

 筆者が訪れたのは、日中だったため、銀色のOvoidが庭園に広がっていたが、日没後にはOvoidの様子が変わるようだ。

 日没後になると様々な色に輝きを放ってくれる。

呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset

 日中は私たちを照らしていたOvoidが、日没後は色彩豊かに輝くという、一日の中で二度楽しめる空間なのだ。

 本来、美術館は目だけで楽しむ視覚に依存したものが多いだろう。しかし、『チームラボプラネッツ』は、視覚だけでなく、作品ごとに違う匂い、音楽によって嗅覚、聴覚、体験型作品で触覚を刺激することで五感全体で楽しむことが出来る没入型の美術館だった。

 特に筆者はFloating in the Falling Universe of Flowersの幻想的な空間が何時間も居れる位お気に入りだった。

 見るだけで涼しくなれる、この暑い夏にぴったりの『チームラボプラネッツ』を、是非訪れてみてはいかがだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる