“手狭な日本の住宅”で「MRのある暮らし」を体験 Meta公式イベント『MR House』レポート

MRはわたしたちの“暮らし”を拡張するか

 全部で6つの「暮らしのMR」を体験してみると、あらためて『Meta Quest 3』のポテンシャルを実感させられる。高画質のVRとMRが共存した、コンシューマー向けXRヘッドセットという立ち位置は、ユニークかつ強力なものである。

 日常生活で活用するヘッドマウントディスプレイとして、この1年で大きく存在感を発揮してきたのは、(再三に渡り名を挙げて恐縮だが)やはり『Apple Vision Pro』である。6月28日に日本に上陸したこの空間コンピュータは、あらゆる操作と体験が自然だ。両手のコントローラーは不要で、基本操作は視線の移動だけでOK。解像度も図抜けて高く、パススルーのクオリティも十全で、装着したまま歩き回ることなど造作もない。

 しかし、やはり60万円近くという価格帯は、コンシューマー向けとしては「超高級」だ。『Meta Quest 3』も、128GBモデルが74,800円(税込)、512GBモデルが96,800円(税込)と決して安い買い物ではないが、「がんばれば手に届くライン」には存在する。国内旅行数回分の出費になるが、一度購入すれば、「暮らしのMR」も、「壮大なVRの旅」も、半永続的に体験できる権利が手に入る……と思えば、不思議と安く感じるかもしれない。2024年現在、XRヘッドセットとはそういう立ち位置にいるデバイスなのだ。

 率直に言えば、「MR House」で体験したユースケースを、日常生活に導入できる人はまだまだ少数だろう。しかし、「未来の先取り」はできる。四畳半も決して「手狭な空間」とは言えないが、広大な部屋がなくともXRヘッドセットは日常を鮮やかに拡張してくれるだろう。

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