『Weekly Virtual News』(2024年4月22日号)

『女子小学生に人気のVTuber』TOP3を分析 ホロライブ勢と並び2位に輝いた「甘狼このみ」とは

なぜ人気? 女子小学生にも浸透するVTuber・甘狼このみ

 先週もさまざまな展開が続いたバーチャル業界。VTuberの方面からは興味深い調査結果が届いた。小学館の『ちゃお』による読者アンケートとして、高学年の女子小学生1000名に「好きなVTuber」を調査したというものだ。
(参考リンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000104282.html

 発表されたランキングは上位3名が公開。その内訳は、1位が兎田ぺこら、2位が甘狼このみ、3位が宝鐘マリン、というものだった。

 1位と3位は大手プロダクションであるホロライブ所属タレントがランクイン。その人気は女子小学生だけでなく日本全国、ともすればグローバルなものだ。一方、2位にランクインした「甘狼このみ」については、聞きおぼえのない人もいるかもしれない。

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 甘狼このみは2022年12月デビューを果たしたVTuberで、プロのイラストレーターでもある。チャンネル登録者数は本記事執筆時点で約54万人。現在は株式会社Million Productionが運営するVTuber事務所・ミリプロに所属するタレントだが、デビュー時は個人で活動を開始していた。ミリプロ自体、甘狼このみが設立した個人運営事務所から出発しており、法人化も今年4月に入ってからだ。

 ザッとまとめると、「いま勢いのある新たなスタープレイヤー」といったところか。そんな逸材が女子小学生から大きく支持を集めているのは興味深い。上記調査報告の中では、人気の秘訣は「イラストの描き方を解説するショート動画」にあるのではないか、と推測されている。いわば「クリエイティブ活動を通した人気」と言えるだろう。

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 調査を行った『ちゃお』の編集長は、女子小学生に人気を集めるVTuberの傾向について、「絵や歌が上手く、見た目も可愛らしいアイドル系VTuberです。ゲームやイラストを描くこと、歌を歌うことなど、まさにJS(※筆者注:女子小学生)が興味を持っていることを発信しているので、親近感があり、共感性も高いです」とコメント。また、デジタルネイティブが多数を占める世代ゆえに、世間的にはめずらしい在り方をしているVTuberも自然に受け入れているのでは、とも考察している。

 広く拡散していったカルチャーは、生まれた当初では想像もつかない層へ定着することがある。かつてニコニコ動画でネットカルチャーとして育まれたVOCALOIDも、いまや10代の女性に浸透しつつある。VTuberもまた、世代を超えたファンがつく文化へと成長していくのだろうか。

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