Xiaomiって自動車も作ってたの? デジカメ風スマホや犬型ロボも手がける“独自の開発力”が面白い

 日本でも低価格なスマートフォンを次々と出しているXiaomi(シャオミ)は、出荷台数で世界3位のメーカーだ。日本ではまだあまり目立った存在ではないかもしれないが、海外では多くの国で多種多様なスマートフォンを販売している。またスマートフォンだけではなく家電製品もリリースしており、日本でも以前に炊飯器を販売したことで話題になった。

 そんなシャオミは2024年2月末にスペイン・バルセロナで開催されたスマートフォンの祭典とも言える世界最大規模の通信関連イベント『MWC Barcelona 2024』で、ひときわ大きなブースを構えていた。そこには超高性能なカメラを搭載したスマートフォンや、一見すると無関係に思えるロボット、さらに自動車までもが展示されていたのだ。いったいどんな製品があったのか、日本ではなかなか見られないシャオミの最新モデルをこの機会に紹介しよう。

まるでデジカメみたいな外観の『Xiaomi 14 Ultra』+フォトグラフィーキット

 一見してスマートフォンだと思う人はいないかもしれない。握りやすいグリップやカメラのレンズのようなデザイン、さらにその中に見える老舗のカメラメーカーであるライカの名前。これはシャオミの最新のハイスペックスマートフォン『Xiaomi(シャオミ) 14 Ultra』。実はこの姿はスマートフォン本体に「フォトグラフィーキット」と呼ぶグリップ+ケースを取り付けた状態。『Xiaomi 14 Ultra』はカメラとして使うことを第一に考えたスマートフォンなのだ。

 ケースを外した状態なら普通のスマートフォンとして使えるので安心してほしい。スマートフォンの心臓部であるチップセットは現時点で最高性能のクアルコム「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載、5000mAhのバッテリーは90Wの超高速充電に対応する。シャオミは日本でこの爆速充電を「神ジューデン」と名付けているが、『Xiaomi 14 Ultra』はケーブル充電が早いだけではなく、ワイヤレスでも80Wと高速な充電に対応。ケーブルの場合は約30分、ワイヤレスの場合は約45分で充電が完了する。

スマートフォンとしても超ハイスペック

 フォトグラフィーキットをつけていない状態でも、背面のデザインはカメラ風になっている。4つのカメラはすべて5000万画素という高画質で、超広角でも望遠でもどんなシーンも苦手としない。夜景を美しく撮影したり、ボケを利かせた写真撮影もお手の物だ。『Xiaomi 14 Ultra』があれば完全にデジカメは不要になるだろう。

デジカメ不要といっても過言ではないレベル

シャオミが手掛ける自動車『SU7』はスマホ連携が可能

 アップルが電気自動車(EV)の開発を断念した、というニュースがつい先日流れたが、それを横目にシャオミは着々とEVの商用化に向け進んでいる。シャオミの目標は自動車メーカーとして世界5位以内にはいることだという。トヨタやBWMなど大手メーカーだけでも熾烈な競争を行っている自動車市場だが、シャオミは今後15から20年かけて大手メーカーの仲間入りを目論んでいる。

シャオミのEV(電気自動車)『SU7』

 シャオミが手掛けるだけあって、もちろんスマートフォンとの連携も考えられている。ドアのロック解除やエンジンをかけることまでスマートフォンアプリでできるようになるという。また車内にある大型のディスプレイに自分のスマートフォンを接続し、お気に入りの音楽や動画を『SU7』の車内で再生することも可能だ。また車内での操作、たとえば窓の開閉なども音声で指示できるようになるという。スマートフォンと自動車がシームレスにつながれば、移動もより快適になる。すでに中国ではファーウェイが自動車を出しており、シャオミもまずはこのSU7を中国国内に投入予定だ。そしていずれは世界各国で販売するだろう。自動車とスマホの関係が大きく変わっていくかもしれない。

移動中もスマホ連携で快適

あの「ロボット犬」によくにたサイバードッグがシャオミからも登場

 誰もが簡単に買える犬型のロボットと言えばソニーの「aibo」シリーズが有名だろう。だがシャオミも同じく犬型ロボット『CyberDog 2』を販売している。「2」という名前からわかるようにこのロボットは2世代目の製品だ。ドーベルマンをモチーフにしたデザインになっており、サイズはaiboよりも一回り以上大きい。価格は1万2999元(約27万円)だ。

ドーベルマンをモチーフにした『CyberDog 2』

 「aibo」は購入後、すぐにペットとして使うことができる。一方、『CyberDog 2』は自分でプログラミングを行い、より高度な作業をおこなうことが可能だ。顔の部分にはカメラが内蔵されており、他にも超音波センサーやToFセンサーなど周囲の障害物を感知するためのセンサーが多数搭載されている。CyberDog 2内部でAI処理も可能で、音声による指示も可能だ。複数のCyberDog 2を連携させてうごかすこともできる。

高度な動きや作業も可能

 『CyberDog 2』は本物の犬のように自在に走らせることも可能だが、実は足などを動かすモーターもシャオミが自社開発している。「CyberGear」とよぶ小型モーターは37.85N.m/kgというパワーを持ち、『CyberDog 2』をその場で飛び上がらせ前転させることも可能だ。このモーターは499元(約1万円)で販売もされており、モーターを組み合わせてそれこそ人形ロボットなどを作ることも可能になる。小型かつ強力でプログラミング可能な低価格モーターを開発できたからこそ『CyberDog 2』を市場に出すことができたのだ。今後シャオミのモーターを使ったロボットが多数出てくるかもしれない。

犬以外のロボットも登場するだろう

話題の折りたたみスマホは極薄サイズ

 閉じれば一般的なスマートフォン、開けば小型タブレットになる横折り型の折りたたみスマートフォンもシャオミは海外で販売している。『Xiaomi MIX Fold 3』は折りたたみモデルとして大画面ながらも薄さが特徴だ。本体を開いたときの画面サイズは8.03型で、同じ折りたたみのサムスン『Galaxy Z Fold5』やグーグル『Pixel Fold』の7.6型よりも大きい。一方最薄部の厚みは5.3mm、『Galaxy Z Fold5』の6.1mm、『Pixel Fold』の5.8mmより薄い。

大画面なのに薄型な『Xiaomi MIX Fold 3』

 閉じたときの画面サイズは『Galaxy Z Fold5』が6.2型、『Pixel Fold』が5.8型なのに対し、『Xiaomi MIX Fold 3』は6.56型と一般的なスマートフォンと大きさは変わらない。開いたときに大画面、閉じても普通のスマートフォン、これが『Xiaomi MIX Fold 3』の最大の特徴と言えるだろう。

閉じれば普通のスマートフォンサイズになる

 

ベゼル交換で着せ替え出来るスマートウォッチ『Xiaomi Watch S3』

 シャオミはスマートウォッチも様々な製品を出している。最新モデル『Xiaomi Watch S3』は実はグローバルと同時に日本でも発売になったモデルだ。画面サイズは1.43型でシンプルかつエレガントなデザイン。スマートフォンとはBluetoothで接続される。運動量や心拍数など日々の健康データを記録する活動量計としてももちろん使える。本体カラーはブラックまたはシルバーの2つだが、豊富なカラバリが用意されているように見える。

特殊な機能でカラバリを増やした『Xiaomi Watch S3』

 実は時計のベゼル部分が交換式になっており、イエローやグリーンなどカラバリに富んだベゼルが別売されているのだ。このベゼルをつけかえることで、時計のイメージをがらっと変えることができるのである。

ベゼルは交換式だ

 しかもベゼルを交換すると、ベゼルごとにプリセットされた文字盤に自動的に変わる。ベゼルの色に合わせた雰囲気の文字盤が用意されているので、ベゼルを複数買っておけば日々の気分やファッションに合わせて『Xiaomi Watch S3』も着替えさせることができるわけだ。

ベゼルを付け替えると文字盤も変わる

シャオミの独自製品はまだまだ増える

 スマートフォンは他にもカラフルなカラーリングが映える「POCO」シリーズなど、シャオミの製品は毎年のように数を増やしている。海外にはシャオミの公式ストアであるシャオミストアが大都市を中心に展開されており、日用家電や大型TVなど生活に便利な製品が多数販売されている。シャオミは日本でも定期的にポップアップストアを開催しているが、いつの日か日本にも「シャオミストア・日本」がオープンすることを期待したいものだ。

カラフルボディーの『POCO X6 Pro』

 

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