ハイブリットワークに本格対応 AIテクノロジー内蔵PCを一挙展開する日本HP発表会レポート
日本HPは、AIテクノロジーを搭載した新型ノート(個人向け「Envy」シリーズ、法人向け「HP EliteBook」シリーズ、モバイルワークステーション「HP ZBook」シリーズ)の新作発表会を開催。あわせて、法人向けに搭載される世界初となる量子コンピューターによるハッキングを防ぐ独自技術についての解説などがおこなわれた。
冒頭に登壇した日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業本部 本部長 松浦徹氏によって2024年度は”AIPC”という新ジャンルにおいて日本HPブランドの確立を図ること、普及しつつあるハイブリットワークに対応する狙いなどが語られた。今回発表した製品群は、AIテクノロジーを搭載することで生産性向上やセキュリティ強化に寄与し、さらにサステナビリティへの取り組みも強化した製品を各シリーズで一挙に拡充すると明かした。
次にパーソナルシステムズ事業本部 コンシューマービジネス本部 製品部 プロダクトマネージャーの吉川直希氏からは、個人向け「Envy」シリーズの新作について解説がなされ「New Envy x360」シリーズはAI推論演算に特化したNPUを搭載した『HP Envy x360 14(インテル)』、『HP Envy x360 14(AMD)』、『HP Envy x360 16(インテル)』の3機種が披露された。処理能力を披露するため、楽編集ソフト『Audacity』を使ったAIによるテキストからの作曲において、非NPU搭載マシンに比べて約80%時間短縮になるデモ映像も流された。
ほかにもHP独自のAIテクノロジーである「HP Smart Sense」でユーザーの使用パターンに合わせたマシン調整、AIにダイレクトにアクセスできるCopilotキー搭載などについての言及があった。タッチ対応の高精細OLEDディスプレイ、オンライン会議で役立つ5MPインテリジェンスカメラや、サウンド面のこだわり、外出先でも使えるセキュリティ機能、環境面での配慮なども解説された。
また14インチで約1.39kg、16インチで約1.87kgという薄型軽量ボディも魅力であり吉川氏は「新シリーズは最新AIエンジンやAIアシスタントを内蔵することで、作業効率を飛躍的にアップさせ、どこでも安心してお使い頂ける製品群です」と総括した。
法人向けに関してはパーソナルシステムズ事業本部 クライントビジネス本部 CMIT製品部 部長 岡宣明氏より、NPU搭載製品としては法人向けEliteBookは6製品、モバイルワークステーションは4製品の投入と、個人向けと同じくNPUを搭載した法人向けAIPCについてなど解説がなされた。注目となるのは『HP EliteBook 635 Aero G11』であり、日本が先行発売となるモデルだという。「日本のユーザーからのリクエストを参考に開発されたマシンでもあり、いち早く展開することになりました」とのこと。
オールメタルの頑丈な筐体ながらも、約1kgという軽量さがウリだ。法人向けマシンではAIテクノロジーを駆使した処理能力の高さに加えてこれまでHPが培ってきた独自のセキュリティ機能なども搭載され、今回は世界初となる量子コンピューターのハッキングからファームウェアを保護する機能が搭載されたことも発表された。
現在、量子コンピューター自体は実用化されていないが、ブレイクスルー間近ともされており、たとえばアメリカでは政府が重要システムなどで対量子暗号アルゴリズムへの移行を推奨しているといった具合に、具体的な備えという段階に達している。これに対してHPでは第5世代のHP Endpoint Security Controller(ESC)チップでファームウェアを保護する対策をとっており、これまで同社が培ってきた独自のセキュリティ技術の高さを示した。
なお、個人向けユーザーが多いリアルサウンドテック読者に向けて吉川氏からメッセージを頂戴した。
「ちょうどこれから新生活シーズンが始まると思うのですが、次のステップの相棒として『New Envy x360』シリーズを活用していただきたいなと思いますね。趣味も仕事も、後はちょっとしたクリエイティブ活動をするツールとしても。実は『Adobe Creative Cloud』の30日無料版もついているので、新生活をきっかけにクリエイティブ面にチャレンジしたい!というユーザーさんにもちょうど良いかなと。是非、新生活のスタートダッシュでご活用頂きたいです!」
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