YouTubeでつながった“ある一族の絆”に視聴者感動 奇跡のストーリーにみるYouTubeの力
台湾人YouTuberのズズが、長年探していた日本の親戚をYouTubeを通して発見し、家族揃って対面した様子を公開した。今回はズズの動画をもとに、親戚との再会やその経緯に触れながら、YouTubeの持つ力に迫ってみたい。
ズズは台湾の魅力を発信する「サンエン台湾」チャンネルのメンバーとして2018年にYouTubeでの活動を開始。流暢な日本語と可愛らしいルックスで人気を集めている動画クリエイターだ。2022年10月に家庭の事情を理由にサンエン台湾を卒業したズズは、2023年9月に台湾で鶏肉料理をメインとした飲食店を立ち上げたことを発表。現在は店舗を経営する傍ら、個人のYouTubeチャンネル「ズズZuzu」で活動を続けている。
2023年12月22日に投稿した動画でズズは、父親が長年探し続けていた日本に住む親戚に初めて家族揃って対面したことを報告し、一族が集まった食事会の様子を公開した。ズズはすでに1度、日本で叔父と従兄弟と顔を合わせているが、ズズの両親と姉とともに、家族揃って叔父に会うのは初めてのこと。
現在72歳の父親と叔父が実際に会うのも今回が初めてだったそうだが、この場にはズズの従兄弟や初対面となる叔母やその夫、93歳の伯祖母なども出席しており、途絶えていたつながりを取り戻せた模様。一族で食卓を囲みながら、これまでの時間を埋めるかのように、曽祖父の話や記念写真の撮影で盛り上がるなど、思い思いのときを過ごしたようだ。
日本と台湾の血を引く自身の父親と日本に住む叔父が会うきっかけとなったのは、ズズが2022年3月に投稿したある1本の動画だった。この動画にはズズとともに父親が出演し、ズズの曽祖父や祖父母の馴れ初め、家族構成などをズズに説明。日本に住む親戚の苗字や「医者で肺結核が専門」など、親戚発見のヒントになりそうなキーワードを織り交ぜながら話しをすすめるなかでズズが1枚の写真を紹介し、日本にいる親戚について視聴者に情報提供を求めたのだった。
この4か月後、ズズは視聴者からのコメントやメッセージ、父親の情報をもとに、探していた親戚が見つかったことを報告。親戚の論文がみつかったこと、叔父が校長としてある高校に勤めていることが判明し、事務所を通して連絡がとれたことを明かすと、ズズ一家と叔父がテレビ電話を通じて会話した様子を披露していた。
YouTubeを通し、多くの人びとの協力のもとに実現した今回の初対面に、ズズの両親は「会えて嬉しい」「感動したし、素敵な時間だった」と大喜び。70年間音沙汰のなかった親戚が動画をきっかけに見つかったことには、「ズズのYouTubeチャンネルのおかげ」と、ズズに感謝を述べるシーンもあった。
コメント欄にはこれまでの様子を見守ってきた視聴者から、「奇跡の動画を見せて頂いてありがとう」「感動した」といった声が書き込まれており、ズズの親孝行な一面に大きな賞賛が集まっていることも読み取れる。
YouTubeには、動画を通して視聴者に娯楽や感動を提供するエンタメ的な側面をはじめ、アーカイブ的な役割やリアルを伝える役割、視聴者の消費行動を促す役割など、実にさまざまな面がある。
そのなかでも今回のズズ一家のストーリーは、感動を生み出すエンタメ的要素はもちろん、YouTubeが「人と人をつなぐコミュニケーションツール」であることを示しているともいえる。ズズ自身、当初は「不可能なことだと思っていた」と話していた親戚の発見。ズズがYouTubeを通して繋いだひとつの親族の絆は、奇跡と感動とともに、普段はあまり気づくことのないYouTubeの力や魅力をも伝えているようだ。
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