逮捕者続々の“私人逮捕系”YouTuber、なぜ増加? ITジャーナリストが語る「背景と対策」
私人逮捕系YouTuberで生計を立てることは難易度が高い
――レコメンドさせないことは大切ですが、やはり過激すぎる動画の広告収入を早急に停止することもYouTube側に求められるはずです。とはいえ、「ガッツch」はYouTubeの広告収入が停止された後、クラウドファンディングを実施して100万円以上を超えるお金を集めていました。そのクラウドファンディングは早々に停止になりましたが、知名度があればお金を稼げてしまう構造の見直しも必要になるのではないですか?
三上:広告収入、クラファン、投げ銭(スーパーチャット)、Amazonの欲しいものリストなど、知名度があればお金や物をもらえる仕組みは多様化・充実化しました。とはいえ、「悪名は無名に勝る」という言葉がある通り、知名度があれば稼げてしまう構造は昔から存在します。テレビ番組でも“お騒がせ”した政治家やタレントが出演するケースは珍しくありません。悪名であっても知名度があれば一定の需要があり、ある意味“人間社会の性”であり対処は難しいと考えます。
――私人逮捕系よりも過激な動画を投稿して知名度を稼いでお金や物をもらおうとする、ある意味“無敵の人”的な発信者も出てきそうですが。
三上:「ガッツch」のクラファンを見るとそういう人は出てくるかもしれませんね。とはいえ、仮に知名度が上がったとしても、稼げたり支持されたりするかと言えばそうではありません。迷惑系YouTuberとして世間を騒がせたへずまりゅうも「迷惑系で食えないことを証明しました」と投稿しており、そこまで増加はしないでしょう。
――知名度があれば必ず稼げるわけではないのかもしれませんね。
三上:そう思います。たしかにクラファンの結果を見ると「ガッツch」は一定数ファンがついていることが伺えますが、彼はかなりのレアケースです。私人逮捕系を含む迷惑系で生計を立てることは難易度が高く、いろいろな意味でやめたほうが良いです。