月に2000万円以上商品が売れることも トップコマーサーが語る“ライブコマースの世界”

メルカリがきっかけで、ライブコマーサーの道へ

ーーkanaさんの歩んできた道のりについてもお聞きしたいです。ライブコマースはいつから始めたのでしょうか。

kana:いまは終了しているのですが、2017年頃メルカリに『メルカリチャンネル』というサービスがありました。ふと気になってボタンをタップすると、配信をしながら服を販売している人がいたんですよね。

 もともと買い物が大好きで、部屋に使っていない服やバッグなどがあふれていたので、買った動機や手放す理由を説明しながら配信を始めてみたんです。すると、最初の配信で商品が完売したので「これはいける!」と思いました。

ーー最初の配信で売ろうと思っていたものが完売するのはすごいですね……!

kana:アルバイトで営業をしていた経験もあり、もともと人に商品の魅力を伝えて販売することは得意でした。

 ただ、メルカリチャンネルを始めて、2ヶ月経ったころには、売れる私物もなくなってしまって。自分で仕入れて販売するようになりました。

ーー自分での仕入れとなると勇気がいりそうです。

kana:本当にしんどい時期でした。初期はアプリを立ち上げても、見てくれている人が3人とか5人とかで。これだけしかいないなかで、10万円分の商品は売れないなと思いつつ、商品を買ってしまっているのでとにかく売らなければいけません。「誰かお願いだから参加してほしい!」と祈っていましたね(笑)。

 人がいなかったり、コメントがなかったりするなかで、1日に10時間・12時間ずっと配信を続ける日もありました。配信が終わって、明け方の4時から売れた製品の配送準備をしたり。とてもつらい時期でした。

ーーその後は、どのように活動したのでしょうか。

kana:サークルの友人で、現在の弊社の代表である佐々木(宏志)から「中国でも流行しているし、ライブコマースの事業を立ち上げよう」と誘われたのがきっかけです。

 2019年にぞうねこちゃんねるの運営会社「株式会社Cellest」を立ち上げました。この時の売上は、月に200万〜300万だったと思います。

ーー在学中に、会社の設立まで進まれたんですね。他の進路は考えなかったのでしょうか。

kana:実は、就職活動で銀行から内定をいただいていたんです。内定式まで参加したのですが、最後まで悩み、結局銀行の内定は断って、ライブコマーサーの道を選択しました。

ーー会社を立ち上げてからは、どのように配信を進められていたのでしょうか。

kana:最初は販売計画もなかったので、事務所で段積みになっている段ボールを片っ端から開けて、ひたすら紹介していました。開けて、紹介して、次みたいな(笑)。

ーー体力勝負ですね……。

kana:売らないと生活していけないですし、なにより大きな企業で活躍している友人や知り合いたちに遅れをとりたくないと思って必死に取り組んでいました。

関連記事