連載「十束おとはの『テック・ファウンダー』」第12回:『狂気より愛を込めて』
十束おとはが“会話がまったく噛み合わない”男性たちに沼ったワケーー恋愛ADV『狂気より愛をこめて』のすゝめ
みなさん、こんにちは。十束おとはです。
あっという間に8月も終わりに近づいていますね。今年はどんな夏でしたか? ドキドキしましたか……? ひと夏の恋、しましたか?
そう! 夏といえばドキドキ! 恋です!!
少々無理矢理な気もしますが……私はこの夏、会話が“まったく噛み合わない”男性たちと、ハラハラする一夏の恋を経験しました。
ということで今回紹介するのはこちら!
jamsanpoid開発による、絶対に会話がかみ合わない恋愛ゲーム『狂気より愛をこめて』です。
「絶対に噛み合わないってどういうこと?」と思った方もいるでしょう。無理もありませんね。こちらのタイトルのゲーム紹介文は以下のようなものになっています。
絶対に会話がかみ合わない男たちとの恋愛アドベンチャーゲーム、『狂気より愛をこめて』へようこそ!
4人の男性と学園生活を1年間共にし、選択肢によって好きなあの人との好感度を高めましょう!彼との交流を増やし、困難に立ち向かうことで、あの人のあんな秘密が露わに…!?毎日ドタバタちんぷんかんぷん、果たして主人公は彼との素敵なエンディングを迎えられるのか!?
※公式WEBサイトより引用
なるほど……わからん!
恋愛ゲームって、コミュニケーションをたくさんとって好感度をあげ、絆を深めていくのが楽しいのに、会話が噛み合わないってどういうこと……?
そう感じた私は、「絶対に会話が噛み合わない」というのがどういうことなのか、とても気になったので、実際にプレイしてみることに。
ちなみに、プレイの様子はせっかくやるなら実況しながらみなさんとわいわいやりたいな、と思いTwitchでも配信しました。このゲームはプレイ開始時に「通常モード」と「配信モード」を選択できて、配信で肌色多めの画像が出てしまうというトラブルを未然に防ぐことができるのです。大変助かりました!
ここでキャラクターの紹介です!
佐伯祐介
〈主人公と同じクラスの明るくやんちゃなイケメンチャラチャラ金髪男。転校前、同じ学校に通っていた。陽キャで誰にでも優しくフランクに接する。運動とゲームが好き。意味不明単語を羅列する〉
荒川修司
〈学園の保健医を務める、大人しくておっとりした、糸目でセクシーな先生。時々腹黒い一面を見せることも…?音楽と筋トレが好き。いつも髪にタツノオトシゴが絡まっている〉
田村マシュマロ
〈謎のかわいらしい少年。食べることと寝ることが好き。他人との会話を極力避け、エンカウントしても暴言を吐かれたりエグい罵倒をされる。オカルト的な事情に詳しい〉
アオルタ(推し)
〈学園の生徒会長を務める3年生。クールで威厳のある性格で、青白い肌と異国言語が特徴。成績優秀で事務作業は何なくこなすが、不器用な面も。日本の文化に興味があり、勉強中〉
※画像、紹介文はそれぞれ公式WEBサイトより引用
実際にプレイしてみるとわかる“想像以上のカオスさ”
実際のところ、どれくらい会話が噛み合わないのか気になった方もいるでしょう。このゲーム、なんと日常会話ができないのは当たり前、アオルタ先輩に関しては解読不可能な言葉を喋ってきます。
しかし、この噛み合わなさにはちゃんとした理由があります。タイトル名が『狂気より愛を込めて』ということで、最初は会話がかみ合わないことが狂気なのだと思っていたのですが、ストーリーを進めていくとシリアスな展開に。すると、そこで“本当の狂気”に出会うことになります。
なぜこのキャラクターはこうなったのか、を考えながら進めていくことになるので、恋愛ゲームとしてだけでなく推理ゲームのような楽しさもあり、最後まで飽きずにプレイすることが可能です。
カオスなだけではない 泣ける展開も……!?
キャッチーさに騙されそうになりますが、奇抜でカオスなだけではないのがこのゲームの素敵なところ。序盤は頭にハテナマークが浮かびまくるのですが、段々とキャラクターたちとの絆が深まっていき、なぜかちゃんと全員のことを好きになってしまいます。狂気エンドだけではなく、ほろっと泣けるようなエンディングもあり「これぞ恋愛ゲーム! 胸が痛い! 好きです!」という気持ちに無事(?)なることができました。
そう、邪道をいくタイトルに見せかけて、とんでもなくピュアな恋愛ゲームなのです。ちなみに、恋愛ゲームの醍醐味であるクリスマスとバレンタインイベントも無事に開催されていました。感謝。
ドット絵が可愛い! さらにフルボイス!
メインビジュアルからもわかるように、『狂気より愛を込めて」はドット絵がとても可愛いのです。色使いもオシャレで、思わずグッズが欲しくなる素敵さです。
さらにおどろいたのが、本作はフルボイスであること。キャラクターだけでなく、担任の先生や他の生徒など、脇役にもしっかり声があてられています。やはり、ボイスが付いているとより深くそのゲームの世界に入り込めますよね。
そんな高いクオリティなのに、お値段は1,680円というお手軽価格! 私は全キャラ攻略したのですが、10時間弱で遊べたので「恋愛ゲームはクリアまでが長いからなぁ……」と敬遠してしまいがちな方にもぜひプレイしてみてほしいです。
それから、『狂気より愛を込めて』は、恋愛ゲームを今までプレイしたことがないという方にもおすすめできる作品だな、と感じました。恋愛ゲームは、素敵な世界観・そして魅力的なキャラクターたちとたくさんの時間を共有しながらともに生きている感を味わえるので、それが恋愛ゲームの好きなところだなと思っています。小説や映画の中に入って一緒に生きている感覚に近いのかもしれません。
もしこの作品をきっかけに興味を持っていただけましたら、ぜひさらに深い沼へ……彼らはいつでもあなたのことをお待ちしております!
それではまた来月お会いしましょう!