25年前の名作『ポケモンカードGB』がNintendo Switchで復刻 今でも“ポケモンカード入門編”として通用する理由

25年前の名作『ポケモンカードGB』が復刻

 8月8日、Nintendo Switch向けの定額制サービス「ゲームボーイ Nintendo Switch Online」で利用可能なソフトラインナップに『ポケモンカードGB』が追加された。

ポケモンカードGB / ポケモンスタジアム金銀 [Pokémon Presents 2023.8.8]

 『ポケモンカードGB』はタイトル名の通り、1996年から現在まで続くトレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」(ポケモンカード)に基づいたゲームボーイ用ソフトだ。本作は1998年当時に採用されていたポケモンカードの対戦ルールをベースとし、本家『ポケットモンスター』(ポケモン)でおなじみのストーリーが盛り込まれていた。端的に言えば、「カードバトルに憧れを持つ主人公が各地の猛者と戦い、力を蓄えてチャンピオンに挑む」……といったものだ。

 そんな『ポケモンカードGB』だが、筆者は発売から少したった2000年ごろに手に取ったものの、「ポケモンカードのルールを理解していなかった」「本家ポケモンのシリーズ作品に夢中だった」などの理由から、最序盤を少し触っただけでプレイを中断してしまった。

 しかし今回、Nintendo Switch Onlineの配信ラインナップに加わったことで、23年ぶりに『ポケモンカードGB』に触れる機会を得た。そうして感じたのは、ミニマムな作りながらも本作に秘められた“ポテンシャルの高さ”だ。今回は再プレイ時にあらためて感じた本作の魅力、未経験者にもオススメしたい理由について説明する。

 なお筆者はポケモンカードの初心者であるため、現シーズンで採用されている公式ルールの解説、ならびに専門用語などへの言及は避けつつ、『ポケモンカードGB』の内容を中心に論を進めたいと思う。

打倒グランドマスターを目指す王道ストーリー

TGCの“キモ”はしっかりと再現されている
TGCの“キモ”はしっかりと再現されている

 まずは本作の大まかなストーリーをおさらいしておこう。プレイヤーの分身となるのは、ポケモンカードに興味を持ち始めた少年「パーク」。パークはオーヤマ研究所に務める「Dr.オーヤマ」からカードデッキを譲り受け、各地に点在する「クラブマスター」とのバトルに挑むことになる。彼らをはじめ、その上に佇む「グランドマスター」たちを打ち負かし、誰もが羨む伝説のカードを手に入れるべく冒険の旅へと出発するのであった。

 ……というのが『ポケモンカードGB』の大まかなストーリーラインだ。ゲームプレイの目標として打倒クラブマスター(グランドマスター)があり、プレイヤーは個性豊かなキャラクターとのバトルを通してポケモンカードの醍醐味に触れることができる。

 本作ではNPC(ゲーム内キャラクター)との戦いに勝利すると、いずれかのポケモンカードがランダムで手に入る。現実のトレーディングカードゲームと同様にカード類を集めることができ、収集したカードをデッキにくわえて新たな戦法を見い出すことも可能だ。冒頭で”ミニマルな作り”と述べたが、対戦・収集・交換(通信機能)といったトレーディングカードゲームのキモはしっかりと再現されている。ゆえに『ポケモンカードGB』は今なお名作としてコミュニティから高く評価されているのだろう。

 また、通常のポケモンカードであればその特性上、誰かがいなければ対人戦に親しむのは難しい(デッキを2つ用意して、1人で交互にターンを回す……というのは可能かもしれないが)。だが『ポケモンカードGB』の場合は別だ。

 たとえ1人だったとしても、ゲームを起動すればNPCたちと対戦プレイを始められるし、構成が異なるデッキを相手にさまざまな戦略を試すこともできる。この点は『ポケモンカードGB』以外の作品でも当てはまるが、それでも「周りに対戦相手がいない」「いろんな人と対戦してみたい」といった(リアルの)環境面で問題を抱えていたプレイヤーにとって、本作は「シチュエーション別のカードバトルが楽しめる疑似対戦ツール」として機能していたのではないだろうか。

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