コムドットら大物YouTuberの"除霊”はなぜ人気コンテンツに? ギャル霊媒師・飯塚唯の活躍から考える

除霊が人気コンテンツ化する背景を分析

 2023年8月4日、人気YouTuberの関根りさが「自宅が大心霊スポットだったのでお祓いして聖域にしてもらいました」という動画を投稿した。この動画に登場した霊媒師・飯塚唯氏は、さまざまな大物YouTuberの自宅で除霊を行っている、今注目の霊媒師だ。

自宅が大心霊スポットだったのでお祓いして聖域にしてもらいました

 過去にはコムドットやばんばんざい、ESPOIR TRIBE -エスポワール・トライブ-など、人気YouTuberの動画に多数出演し、霊視やお祓いを行っている。今回は、クリエイターに起こる心霊現象の特徴と、どのような部分に動画的メリットがあるのかについて分析していく。

普段視聴している場所だからこそ感じるリアリティ

 除霊動画は、まず霊媒師がクリエイターを霊視し、どのような霊がついているのかを確認する。その後、取り憑かれた経緯を分析し、スタジオや自宅を霊視して、霊の発生源や通り道などを明らかにしていく。最後に霊が憑いているクリエイターがいた場合、お祓いへと移行するのが、大まかな流れとなる。

 YouTubeの除霊動画の特徴は、まず「普段から視聴している場所が舞台になる」というところにある。 YouTubeはロケ撮影なども行うが、外に出る必要がない企画の場合は室内で撮影することがほとんどだ。自宅やスタジオは頻繁に映っているため、視聴者から見てもお馴染みの場所となっている。たとえば関根りさの動画だと、「キッチンが霊道になっている」「寝室に2体いる」と霊視された。関根りさは購入品紹介やメイク、GRWMやパッキング動画に定評があり、室内で撮影する割合が多い。視聴者にとっても、普段から目にしている場所に霊がいるとなると、より身近に感じ、緊張感を生む動画になっていく。

過去の動画が伏線になる

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 もう1つの特徴として、「過去の動画が伏線になる」というのがある。2021年11月7日、コムドットのチャンネルで投稿されたお祓いの動画をもとに分析していく。コムドットの動画では、過去に投稿した購入品紹介の動画やコラボ動画に女性の声が入っていることがあり、今回の除霊に至ったと説明している。このように、 YouTuberは日々新しい動画を撮影していることから、偶然にも心霊現象が起こった場合、その記録が動画として残っている。そのため、過去の動画が壮大な伏線となり、除霊動画の期待値を高めることができるのだ。たとえば、テレビ番組だと1日限りの撮影になるため、過去の心霊現象を追うことは難しいが、 YouTubeはアーカイブとして昔の動画が残り続けるため、仮に何かが起こった場合、そのときの記録が残っているのだ。また、除霊やお祓いを行ったあとも、その後の動画でクリエイターの姿にどのような変化が起きたのか、過去の動画と見比べることもできる。こういったことから、除霊企画とYouTuberの相性はよく、一定の再生回数を生み出す人気コンテンツとなっているのではないだろうか。

 心霊現象は、多くの人と触れ合うYouTuberという職業だからこそ起きやすい現象なのだろうが、思いがけずYouTubeというフィールドとマッチしていることがわかった。これからも思いがけない視点から、新たな人気コンテンツが生まれることに期待したい。

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