『Galaxy Z Flip5』は可愛いだけじゃない! 多彩な使い方ができる“実力派コンパクトスマホ”のすごさ
サムスンは2023年7月末に折りたたみスマートフォン『Galaxy Z Flip5』『Galaxy Z Fold5』を発表した。『Galaxy Z Flip5』は縦に折りたたむことのできる、フリップ式のスマートフォンだ。サムスンはこれまでにもフリップ式のスマートフォンを出してきたが、『Galaxy Z Flip5』は閉じたままでも使えるアウト画面を搭載したことで、スマートフォンの使い方が無限に広がった。『Galaxy Z Flip5』の楽しい使い方を中心に進化点を紹介しよう。
本体を閉じたまま、手のひらの中で動画も見れる
『Galaxy Z Flip5』は本体を開くと6.7インチ画面のスマートフォンとして使うことができる。画面を折り曲げることのできるフリップ式の製品で、日本でもまだこのスタイルの製品はわずかしかない。フリップ式のスマートフォンの最大のメリットは、半分に折りたたむと手のひらサイズのコンパクトな大きさになること。最近のスマートフォンは大きくて持ちにくい、という人はぜひフリップ式スマートフォンの購入を検討したい。
画面を曲げることができる『Galaxy Z Flip5』
実際に本体をたたんでみると、約85.1 x 71.9 x 15.1mmというコンパクトサイズになる。このままポケットやバッグの中にも無理なくすっぽりと納まる大きさだ。しかも閉じた状態でも外側に3.4インチの画面があるので、時計や通知表示を見ることができる。本体をいちいち開かなくても必要なコンテンツにアクセスできるのだ。
たとえば地図を検索したいとき、ポケットから取り出した『Galaxy Z Flip5』を開かずにそのまま地図アプリを起動して、音声入力で「恵比寿駅」などと語り掛ければ、目的地の地図が表示される。外画面では地図やYouTubeアプリが使えるほか、時計、カレンダー、スケジュール、通話など、様々なウィジェットが動く。極端な話、たいていの操作は本体を開かずともできてしまうのだ。 そして一番楽しい使い方と言えるのがカメラだろう。本体を閉じたままカメラを起動すれば、まるで手のひらに乗る小型のデジカメを使うような感覚で写真が撮れる。しかも高画質な1200万画素カメラを2つ(広角と超広角)搭載しているので、自撮りや集合セルフィーも簡単に美しく撮影できるのだ。一般的に自撮りするときはフロントカメラを使うが、メインカメラよりも画質が落ちてしまう。特に暗い室内では顔の写りも悪くなりがち。『Galaxy Z Flip5』なら屋外でも室内でも楽しくみんなの写真が撮れるのだ。
『Galaxy Z Flip5』の重量は187g、隙間なく閉じることができるので持ち運びもしやすい。ケースをつけてもそれほどサイズが増すことは無いだろう。ヒンジの動きはスムーズなので、実際に使ってみたところ片手でも開閉することができた。
基本のカラバリはミント、クリーム、ラベンダー、グラファイトの4色。カラーパネルは光沢ある表面仕上げなので高級感もあり、エレガントなアクセサリのようにも見える。女性向きと言える製品かもしれないが、男性がミントやグラファイトを使ってもいいだろうか。なおアメリカでの価格は999ドル(日本円で約14万円)とやや高価ではあるものの、それに見合うだけのデザインと質感を兼ね揃えている。
普通のスマホから多彩な使い方に拡張できる
本体を開くと165.1 x 71.9 x 6.9mmという大きさになる。これは一般的なスマートフォンと変わらないサイズだ。折りたたみというワードが先行する『Galaxy Z Flip5』だが、このように開いたまま使えば普通のスマートフォンと使い勝手は全く変わらない。なおスマートフォンの心臓部、チップセットには現時点で最も高性能なQualcommのSnapdragon 8 Gen 2を搭載しており、本体性能に不満が出ることはないだろう。
本体を開いてもヒンジの部分がぐらつくことも無く、しっかりとした作りになっている。7mmを切る薄さはiPhone 14の7.8mmよりも薄く、持ちやすい。そしてこの本体の中に3700mAhのバッテリーを内蔵している。
開いたときの画面の縦横比は22:9と縦にワイド。そのため2つのアプリを同時に開いて表示する使い方も十分にアリだ。画面分割はそれぞれのサイズを変更できるので、上側に4:3の動画を、その下にブラウザやSNSを表示する、という使い方もいいだろう。
またヒンジを曲げた状態で机の上に置けば動画も見やすい。カメラを起動すれば三脚不要で写真も撮れる。このような使い方ができるのは縦折りスタイルならでは。普通のスマートフォンではできないことができるのもGalaxy Z Flip5の大きな魅力だ。
また画面を曲げた状態で、外画面を使うこともできる。机の上に置いてスケジュールを見たり、家族やペット、恋人の写真を表示してフォトフレームのようにして使うのもいい。外画面のある『Galaxy Z Flip5』は無限の使い方ができるのだ。
凝った写真や動画を取りたければ、『Galaxy Z Flip5』を手元から離した位置に置いてカメラを使うのも面白い。『Galaxy Z Flip5』は手のひらシャッター機能があるので、セルフタイマーやリモコンを使わなくとも、画面に向かって手のひらを向けると撮影を介してくれるのだ。
縦折りスマホはどんどん進化する
『Galaxy Z Flip5』には純性で様々なケースも販売されるが、着せ替え対応ケースも用意されている。背面に装着する透明ケースの内側にイラストや写真の描かれたパネルをはめることのできるケースは、そのパネルにNFCが内蔵されている。パネルを装着すると、パネルに冠したイラストやアニメーションの外画面用の壁紙が自動ダウンロードされるのだ。
たとえばアーティストや企業キャラクターのパネルなら、それを背面に装着するだけで外画面側の壁紙も関連の表示になる。設定画面から壁紙を変える必要もなく、外観を着せ替えするのと同時に壁紙も変更できるのだ。
また本体カラーは基本4色に加え、各国ではオンライン限定の4色も追加される。この4色はグレイ、ブルー、グリーン、イエローだが基本4色とは異なりシックでやや落ち着いた仕上げになっている。Galaxy Z Flip5の楽しい雰囲気をそのままにより大人向けの色にしたという感じだろうか。なお過去のFlipモデルでは「Maison Margielaメゾンマルジェラ」や「Thom Browne」などファッションブランドとのコラボモデルも登場した。Galaxy Z Flip5でもコラボモデルの登場に期待したい。
閉じたときの外画面で使えるアプリは現時点では限られているが、今後多くのアプリが使えるようになる予定だ。InstagramやLINEなど、メジャーなSNSアプリもいずれ使えるようになるだろうから、Galaxy Z Flip5を開かず使い続ける、なんてことができるようになるかもしれない。
スマートフォンにアプリケーションをあれこれと入れてしまい、ホーム画面もアイコンだらけ、という人も多いだろう。せっかく壁紙に写真を貼ってもアイコンに隠されてしまいがちだ。
ところが『Galaxy Z Flip5』は独立した外画面を持っているので、普段人に見せる閉じた外画面にお気に入りの写真などを表示して自分をアピールすることができる。
さらに閉じたままの状態でも使うことができるのだ。自分風にカスタマイズでき、しかも片手でさりげなく使える『Galaxy Z Flip5』は、これまでのスマートフォンの使い方を大きく変える「新世代スマホ」と呼べる製品だ。日本での発売を楽しみに待ちたい。