ゲーム業界で過去の人気シリーズ“セットパッケージ販売”増加の理由は? 直近の復刻ラッシュから考える

 7月27日、日本一ソフトウェア開発・発売の人気アドベンチャー「流行り神 警視庁怪異事件ファイル」(以下、「流行り神」)シリーズから、『流行り神1・2・3パック』が発売となった。

 ここ最近、耳にする機会が増えた人気シリーズ・過去作品のセットパッケージ化。本稿では、『流行り神1・2・3パック』の発売を入り口に、この販売手法が増加する背景について考える。

2000年代初頭を代表する名作テキストアドベンチャー「流行り神」シリーズ

『流行り神1・2・3パック』プロモーションムービー

 「流行り神」シリーズは、2004年にPlayStation 2でリリースされた『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』を初作とする作品群だ。プレイヤーは警視庁所属の刑事となり、都市伝説をモチーフにした奇妙な事件の解決を目指していく。

 「ホラー要素を交えたテキストアドベンチャー」をシステムの根幹としており、全編を通じ、文章と絵によってストーリーや世界観が表現されている。シナリオ上の分岐点では、状況に応じた選択肢が登場。その中から適切と思われるものを都度選び、物語を進めていく。「超常現象の存在を排除した科学的な捜査」と、「オカルト要素を許容した捜査」という2種類の結末を盛り込んでいる点も、同シリーズの特徴だ。こうしたゲーム性の文脈は、2023年3月に配信され、一定の評価を獲得した『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』にもつながるものかもしれない。

 「流行り神」シリーズからはこれまでに、『流行り神2 警視庁怪異事件ファイル』(2007年)、『流行り神3 警視庁怪異事件ファイル』(2009年)と、全3作のナンバリングが発表されている。2014年には、実質的な続編である『真 流行り神』がPlayStation 3/PlayStation Vitaに向けてリリース。こちらもシリーズ化を果たしている。

 今回発売となった『流行り神1・2・3パック』は、ナンバリング1~3作の本編と追加シナリオ、追加要素を完全収録したセットパッケージ。公式は「この1本で『流行り神』シリーズを遊び尽くせる」と謳っている。価格は、6,578円(税込)。対応プラットフォームは、PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switchとなっている。なお、収録されている各ナンバリング作品は、単体でも購入可能。ダウンロード版のみの展開で、価格はそれぞれ、2,178円(税込)となっている。

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