Metaの新SNSアプリ『Threads』はTwitterの移行先候補筆頭となるか 現段階の情報から推察する

 Twitterを提供するX社が7月2日未明に突如おこなった「ツイートの読み込み」に関する規制は、世の中を大きく騒がせた。一時的(とイーロン・マスク氏が発表している)とはいえ、事前予告も無く仕様が変更されたことでユーザーは大混乱。トレンド欄が上から下までTwitterの仕様変更に関連するキーワードで埋め尽くされる事態に陥った。

Twitter、仕様変更でツイートの読み込み数に制限 イーロン・マスクは「暫定的な対応」と発表するも緩和時期は不明

7月1日21時ごろよりTwitterで「障害が発生している」との報告が相次いだ。ブラウザ版のTwitterでタイムラインが取得で…

 本日に至るまでの2日間の間に情報が錯綜し、避難先・移住先を求めたユーザーがMisskey.ioに殺到したり、マスク氏が買収して以降のTwitterのサービス状況を鑑みてゲームアプリ数社が「Twitter連携」によるアカウントログインを終了すると発表したり……挙げればキリが無いが“インターネットが揺れた”と表現しても過言ではないほどの影響があった。下記に埋め込んだ『ブルーアーカイブ』公式の声明はその一部で、そのほかにもYostarなどが同様の発表をおこなっている。

 さて、この状況下でユーザーが気になっているのは「我々にとっての“ノアの方舟”はどれだ?」ということに尽きるだろう。すでに台頭しているSNSでいえば「Instagram」「TikTok」、注目を集め始めているものでいえばTwitterの生みの親であるジャック・ドーシーが立ち上げた「Bluesky」、分散型SNSである「Mastodon」と、それとの互換性を持ちカスタマイズ性に優れる「Misskey」など……選択肢はいくつかある。しかし、いずれの分散型サービスも完全なTwitterの代用とはなり得ないだろう。

 なぜなら、中央集権的なSNSたるTwitterの大きな利点のひとつは「ユーザー母数の多さ」にあるからだ。大手新聞社から発信されるマクロな情報から、個人がツイートしたミクロな情報までをまとめて閲覧できるのがTwitterが持つ最大の優位性だったといえる。この点については、過去にテクノロジーライターの白石氏が執筆した記事も参考にしていただきたい。

分散型SNSはTwitterの後継足り得るのか? 僕らがSNSを使う理由とともに考える

ツイッターのように短文を投稿してやり取りする非営利のSNSソフトウェア『Misskey』が脚光を浴びている。イーロン・マスク氏が…

 Twitterは「情報の奔流」を持つことでインターネットにおける大河たりえた。では、それを代用しうるサービスはどれだろうか。注目すべきは7月6日にiOS版がリリースされると判明したMetaの新サービス『Threads』だ。App Storeからはすでに予約注文が可能で、7月6日にダウンロードが可能になった時点で通知を受け取ることも可能。

 ストアのスクリーンショットからは、TwitterライクなUIで「リツイート」「いいね」に類する機能や、投稿の公開範囲を限定する機能を確認できる。また、ログインにはInstagramアカウントを使用するようで、Instagramでフォローしている人を一括フォローしたり、アカウントの切り替えたりもできるようだ。App Storeのリンクを記事末尾に貼っておくので、興味のある方はダウンロードしてみてはいかがだろう。

 なお、ThreadsはInstagram同様、ユーザーに関連付けられたデータを複数収集するとされている。この点を不安視する声も多く、アプリを利用するか否かは各個人で判断していただきたい。参考までに、Twitter、TikTok、Instagram(こちらはThreadsと同じ内容)の比較画像を用意しておいた。

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